「教える」と「教わる」の違い
「教える」と「教わる」の違い
「教える」は「AはBにXを教える」の形のとき、AからBに教えています。
「教わる」は「AはBにXを教わる」の形のとき、BからAに教えています。
つまり構文が異なります。
授受動詞の主語と物の移動の関係
「あげる」「くれる」「もらう」などの授受動詞は動詞によって主語が変わってきます。
「あげる」「くれる」の物の移動は主語から二格です。
(1) 私は彼に日本語を教えてあげた。 (私→彼)
(2) 彼は私に日本語を教えてくれた。 (彼→私)
一方、「もらう」の物の移動はニ格から主語です。
(3) 私は彼に日本語を教えてもらった。(私←彼)
このほか、「貸す」「借りる」「教える」「教わる」なども授受動詞と同じ構文を取ります。そのうち「貸す」「教える」は、「あげる」「くれる」と同じく主語からニ格へと物が移動する構文です。
(4) 私は彼にお金をあげた。 (私→彼)
(5) 私は彼にお金を貸した。 (私→彼)
(6) 私は彼に積分を教えた。 (私→彼)
「借りる」「教わる」は、「もらう」と同じくニ格から主語へと物が移動する構文です。
(7) 私は彼にお金をもらった。 (私←彼)
(8) 私は彼にお金を借りた。 (私←彼)
(9) 私は彼に積分を教わった。 (私←彼)
授受動詞は同じ動作を複数の言い方で表現できる
授受動詞は主語によって動詞が代わり、動詞によって主語が変わる性質があります。これによって一つの物の移動を視点を変えて表現でき、与え手と受け手の感情を表現することができます。これが授受動詞の持つ恩恵表現です。
例えばAさんからBさんへ日本語を教えたとき、いくつかの言い方ができます。
(10) AはBに日本語を教えた。 (A→B)
(11) AはBに日本語を教えてあげた。 (A→B)
(12) BはAに日本語を教わった。 (B←A)
(13) BはAに日本語を教えてもらった。 (B←A)
(14) BはAに日本語を習った。 (B←A)
これらの行為の移動は全て同じく、A→Bです。
まとめると…
「AはBに教える」はA→B
「AはBに教わる」はA←B
「教わる」は、「習う」「教えてもらう」と同じで言い換えることができます。
授受動詞関連の文法は少々複雑なので注意してくださいね。