平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(8)解説

(8)助動詞の意味

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
打ち消しの
助動詞『ず』
ざら
ざり

ざる

ざれ
ざれ
完了の
助動詞『ぬ』
ぬる ぬれ

 打ち消しの「ぬ」と完了の「ぬ」の見分け方はこんな感じです。

 打ち消しの助動詞「ず」の連体形は「ぬ」です。つまり打ち消しの「ぬ」の後には名詞(体言)が接続されます。
 一方、完了の助動詞「ぬ」の終止形も「ぬ」ですが、こちらは終止形なので後ろには名詞が接続されません。

 また、打ち消しの「ぬ」は未然形(動ない形)の後ろにつきます。
 完了の「ぬ」は連用形(動ます形)の後ろにつきます

 1 「ぬ」の前の「立ち」は連用形(立ちます)なので、完了の「ぬ」
 2 「ざる」の形は完了にはありませんので、打ち消しの「ざる」
 3 「ぬ」の前は未然形で、後には名詞がありますので、打ち消しの「ぬ」
 4 「ず」の形は完了にはありませんので、打ち消しの「ず」
 5 未然形も連用形も「見」ですが、「ぬ」の後ろには名詞「ふり」が接続されていますので、打ち消しの「ぬ」

 2~4は打ち消し、1だけ完了です。
 したがって答えは1です。

 
 古文から出題されるのは本当に本当に稀なので、別に覚えなくても点数にはそうそう影響しません。




2023年8月26日平成29年度, 日本語教育能力検定試験