令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(10)解説

(10)「で」の意味

 これは良い問題! 「で」は道具とか方法とか手段とかって普通言われますけど、もっと正確に分類すると「道具」と「方法」ってちょっと違います。
 道具目的達成に利用する物としての手段方法やり方、方式、作戦などの抽象的なものとしての手段。同じようで微妙に違います。

 私が知ってる限りこの道具と方法の「で」を区別した問題は今まで見たことがなかったんですけど、一歩踏み込んでさらに詳しい違いを出題してきてる印象です。これ新試験の出題範囲と関係あるのかな?

 1 「色鉛筆」は物としての手段  → 道具の「で」
 2 「はだし」は方式、作戦    → 方法の「で」
 3 「両手」は物としての手段   → 道具の「で」
 4 「携帯電話」は物としての手段 → 道具の「で」
 5 「片手」は物としての手段   → 道具の「で」

 選択肢2は方法の「で」に分類されます。
 それ以外は道具の「で」です。これは「~を使って」に言い換えられますね。

 1 ○色鉛筆を使って
 2 ✕はだしを使って
 3 ○両手を使って
 4 ○携帯電話を使って
 5 ○片手を使って

 したがって答えは2です。

 この「で」の分類は次の本を参考にしてます。




2022年10月24日令和4年度, 日本語教育能力検定試験