作文教育の歴史的変遷と指導法についてまとめ!

 
 

外国語の作文教育の変遷と指導法

 外国語の作文教育は、1950年代に主流となった制限作文アプローチから始まりました。

 

制限作文アプローチ(Controlled Composition Approach)

 特定の文型や表現を使わせて書かせる作文指導法。1950年代にオーディオリンガル・メソッドの流れで考案された。作文の内容よりも、言語形式の正確さを重視する目的で行われた。

 1960 年代の後半には新旧レトリックアプローチが出現しました。

 

新旧レトリックアプローチ(Current-Traditional Rhetoric Approach)

 談話や文体にある特有のパターン、段落の理論的構造や機能などの文章構造のパターンを提示し、それに従って書かせる作文指導法。制限作文アプローチでは語彙や文法などの文レベルに注目したものだったが、新旧レトリックアプローチではそれよりも大きい文体、話の流れ、描写などの談話レベルに指導の重点を置いている。

 1980年代にはフラワーとヘイズ(L.Flower & J.R.Hayes)によってライティングにおける思考過程の研究が行われました。研究には書き手の思考内容を発話させてそれを分析する思考発話プロトコル分析(think-aloud protocol analysis)が用いられています。それまでは構想、文章化、推敲の独立した段階をそれぞれ終えてから次に進んでいくとされていましたが、この研究によって3つの段階は行きつ戻りつしていることが分かり、ライティングプロセスの認知モデルを提唱しました。

 

ライティングプロセスの認知モデル/ライティングの認知プロセスモデル

 フラワーとヘイズ (L.Flower & J.R.Hayes)によって提唱されたライティングにおける認知プロセスモデル。ライティングでは「構想」「文章化」「推敲」の3つの段階を行きつ戻りつしながら作業を進めているとする。それぞれの段階で、その過程が適切に行われているかを書き手がモニターする仕組みがあり、モニターには長期記憶とワーキングメモリが関係しているとする。長期記憶から必要な情報を取り出して書いたり、モニターに役立てたりする。ワーキングメモリにはこれまでに書き上げた内容が記憶されている。

 ライティングプロセスの認知モデルが理論的背景となり、1980年代にはそれまでの伝統的な指導法とは異なる、作文を書く過程を重視したプロセス・アプローチが出現しました。それまでの制限作文アプローチや新旧レトリックアプローチは言語形式に重点を置き、学習者の最終的な成果物(作文)に対して添削、フィードバックをする方法を取っていたため、作文を書く過程は重視されていませんでした。

 

プロセス・アプローチ(The Process Approach)

 フラワーとヘイズ (L.Flower & J.R.Hayes)のライティングプロセスの認知モデルを理論的基盤とする、作文を仕上げていくプロセスを重視した作文指導法。「構想」「文章化」「推敲」の3つの段階を行きつ戻りつ、繰り返しながら新しい発見をし、長い時間をかけてよりよい文章を再構築していくことを目的とする。1980年代に出現した。教師は学習者のサポートを担う。プロセス・ライティングとも呼ばれる。

 書く過程を重視したプロセス・アプローチの次に出現したのが、読み手を重視した学術英語アプローチである。

 

学術英語アプローチ(English for Academic Purposes-Approach)

 読み手の存在を重視した作文指導法。学術目的で書かれる専門分野の作文において、読み手が誰なのか、読み手が期待するものは何かを意識させ、その分野にふさわしい語彙、文体を用いて書かせるような活動を行う。

 
 

その他作文にかかわる活動

ピア・レスポンス/ピア推敲(peer response)

 学習者がペア、あるいはグループでお互いの作文を読み合い、良いところや直したほうがいいところを伝え、そのフィードバックをもとに書き直す活動のこと。ピア・ラーニングの一種。

 ピア・ラーニング(peer learning)は他にも、学習者同士が対話を通して助け合いながら読解を行い、読みを深めるピア・リーディング(peer reading)、学習者同士でフィードバックを行うピア・フィードバック(peer feedback) などがあります。ピア・ラーニングを行う目的は2つの目的がありまs。

 ①そのスキルを向上させること
 ②学習活動を通して、仲間と社会的関係を築くこと

 

ディクトコンポ

 学習者に文の一部をディクテーション(書き取り)させた後、その続きを書かせる活動。





2020年9月6日日本語教育能力検定試験 解説, 用語集