平成30年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(13)解説

(13)比喩

 比喩と聞いてすぐ思い出したいのは以下の4つです。比喩の中でも特に隠喩、換喩、提喩が出題されてます。

シミリー
直喩
「~みたいな」「~のような」「~の如く」等を使って直接別のものに喩える比喩の一種。 わたあめみたいな雲が浮かんでいる
メタファー
隠喩
物事のある側面から連想した類似性に基づく具体的なイメージを用いて、抽象的な物事を表す比喩の一種。 頭が真っ白になる
メトニミー
換喩
様々な概念の隣接性に基づいて物事を表す比喩の一種。換喩には入れ物で中身を示すものや、結果で原因を表すものなどの様々なパターンがある。 パトカーに捕まった
シネクドキー
提喩
上位概念を下位概念で、また下位概念を上位概念で言い換える比喩の一種。 花見に行く

メタファーは類似性、メトニミーは隣接性、シネクドキーは上位語と下位語の言い換え

 私はこうやって覚えてます。
 特にメトニミーの隣接性はさらにたくさん下位分類があります。ここでは書ききれないくらいですので、詳しく知りたいなら「日本語の修辞法について - メトニミー/換喩 (metonymy)」にまとめてます!
 
 選択肢1
 「追い風」は元々後ろから吹いてくる風のことですが、走ってる時の追い風はまるで自分を後押ししてくれてるかのうようです。
 この「後押し」と「自社に有利な状況」の類似性に基づいて「我が社には追い風だ」と言ってます。これはメタファー(隠喩)です。

 選択肢2
 この「漱石」は「夏目漱石」そのものを指しているわけではなく、「夏目漱石の文学作品」を指しています。
 隣接性に基づいて人で物を表しているメトニミー(換喩)です。

 選択肢3
 洗濯機そのものを回すのではなく、洗濯機の中の洗濯槽やドラムの話をしてます。
 隣接性に基づいて入れ物で中身を表しているメトニミー(換喩)です。

 選択肢4
 文字通り「黒板を消す」のはイリュージョンじゃないとムリです。この「黒板」は「黒板に書かれている字」を指してます。
 隣接性に基づいて入れ物で中身を表しているメトニミー(換喩)です。

 選択肢5
 永田町は人ではないので大騒ぎできないんですが、そういうわけではありません。永田町と言えば国会議事堂! つまりこれは国会議事堂にいる政治家やその関係者、記者さんなどを指してます。
 隣接性に基づいて建物や地名で関係することを表しているメトニミー(換喩)です。

 選択肢1だけがメタファー、それ以外はメトニミーです。
 したがって答えは1です。

 参考:日本語の修辞法について

 





2020年9月15日平成30年度, 日本語教育能力検定試験 解説