平成26年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題7解説

問1 自己研修型

 自己研修型とは、自らの教授活動を振り返りながら自律的な自己成長を目指すことです。

 1 自分の授業を振り返っているので、自己研修型
 2 見学も重要ですけど、分析、研究くらいまでしないと自己研修とは言えなさそう。
 3 初めて先生をする人は必ずこういう流れを辿るので、当たり前なことです。
 4 これは選択肢2の見学と同じレベルで、自己研修とは言えません。

 したがって答えは1です。

 

問2 アクション・リサーチ

 アクション・リサーチとは、教師の自己成長を続けるために現場で行われる分析・研究のことです。現状の分析、調査、改善策の計画、実施、結果の分析、反省などを行います。

 1 以前は先輩教師の真似をするみたいなことが多かったみたいですが、今はそうではなくて、自分で改善していって自分の授業スタイルを確立していくようなことが求められています。アクション・リサーチではそういう自身の柔軟性を高められます。
 2 周囲と協力するのは望ましいことです。
 3 あらかじめ答えがあるわけでなく、アクション・リサーチによって答えを探っていきます。
 4 仮説、実験、検証の過程は良いですが、一般化を目指すのではなく、自分のやり方というのを探っていくためにアクション・リサーチを行います。

 したがって答えは4です。

 

問3 ティーチング・ポートフォリオ

 選択肢1
 (教育場面で)実際に発生した問題について調査・分析すること。

 選択肢2
 個人の教授活動の記録や教育業績を集めたもののこと。

 選択肢3
 被験者の考えていること、思考の流れを客観的に測定する発話プロトコル法における、被験者の発話した内容のこと。
 発話プロトコル法では被験者に何かしらのタスクを与え、それを遂行するにあたり被験者が考えたこと、思ったことを常時全て発話させます。この発話した内容をプロトコル・データと呼び、その発話を分析することによって、思考の流れを解明します。

 選択肢4
 現場にて記録された何らかの情報のことです。

 したがって答えは2です。

 

問4 状況的学習論

 状況的学習論とは、ある人が社会活動に参加することを通して知識や技能の習得していく過程を学習と捉える考え方のことです。グループの中で一人ひとりが役割を全うし、協力して成長していくようなものが状況的学習論に基づく活動です。

 選択肢1
 一方が他方に質問をして情報を得るために行われる活動がインタビューですが… グループで頑張る感は薄め。

 選択肢2
 ロールプレイは会話の目的や役割、状況を明示して、その役割に応じた会話をグループで進める活動です。グループ、役割を全うというヒントからするとロールプレイも状況的学習論に基づくものだと思うかもしれませんが違います。もっと現実的、社会的な活動を通した成長ができるような活動でなければいけません。

 選択肢3
 学習者の学習や異文化について思っていることや問題点を自由に書くことで、本人にその原因などを気付かせる方法をジャーナル・アプローチと言います。学習者が書いたものをジャーナルと呼び、それらを教師や援助者と共有することでフィードバックを与え、お互いの相互理解を深めることに用います。グループで頑張る感は薄め。

 選択肢4
 プロジェクトワークは学習者が主体となって計画をし、資料や情報を集めたりして、グループごとに一つの作品にまとめる学習方法です。報告書、新聞、発表、映像などを作る。現実性の高い活動なので、実践的な日本語を学べます。グループで協力して一つのものを作り上げる。状況的学習論の考え方が取り入れられている活動です!

 状況的学習論の考え方は、プロジェクトワークのグループ作業と一致します。
 したがって答えは4です。

 

問5 課題提起型学習

 選択肢1
 対話により自ら問題に気付き、他者と協力してその問題を解決していく教育方法。

 選択肢2
 子どもに対する読み書きを特に重視した教育のこと。

 選択肢3
 人の精神的価値観を追い求め、自己の存在や人生の意味を見出していくような考え方に基づいて行われる教育のこと。

 選択肢4
 教師が一方的に喋ることで学習者はその内容を機械的に記憶する教育法のこと。教師は預金者、学習者は貯金箱と喩え、このような名前がつけられました。

 したがって答えは1です。

 





2020年10月15日平成26年度, 日本語教育能力検定試験 解説