【第19課】道案内してみよう!

 今日は2年生に道案内の仕方を教えました。今学期はじめのアンケートで”道を教える時の日本語を知りたい”という回答があったので、それに応えての授業内容です。2年生にもなると色々な単語・文法が使えるようになっているので授業の幅もぐっと広がり、私も授業をしていて楽しいですね。

 まずは道案内をする時の言葉を教えます。その時、以前はプロジェクターを使って地図を見せたんですが、現在地を指し示す時に書けないので不便だったり、光の関係で見にくかったりという反省点がありましたから、それを踏まえて黒板に書くことにしました。まず書いた地図は上の写真、至って簡単なもの。5つの地点がありますが、それぞれ「どんな建物がいい?」と聞いたら、スーパー、食堂、寮、しゃぶしゃぶ等と答えてくれました。しゃぶしゃぶは最近学校の近くに新しくできたお店です。こういう小さなところも質問してあげると思わぬ盛り上がりがあったりします。

 地図を扱う前に、基本的な言葉を導入しておきます。
 まずは東西南北。方位磁針を書いて方角の名前を確認させます。ついでに北西、北東、南西、南東も教えるといいでしょう。このあたりは中国語と言い方が異なりますし、何より「北」が「ほく」なのか「きた」なのか、「西」が「にし」なのか「せい」なのかで一悶着できます。

 続いて、十字路(交差点)、T字路(丁字路)の名前を確認。十字路を書いて、このような道の名前は?と聞いてみます。それをT字路も同様にやっておく。これは中国語と同じ言い方が存在しますからあまり難しくありません。またL字路も存在しますが、実際は分岐のない一本道ですから「まっすぐ進む/まっすぐ行く」と言えば問題ないと思い教えませんでした。
 他にもある?と聞くと「丸い交差点」と答えた人がいました。「環状交差点(ラウンドアバウト)」のことですね。学校の近くに1つだけあるので印象に残っていたんでしょうが… これはN1にも出てこない単語じゃないでしょうか。

 最後に「右に曲がる」「左に曲がる」「前に進む(真っ直ぐ進む)」「後ろに戻る」の4つです。後ろに戻るだけは授業中には使いませんから省略しても良かった部分でした。右と左という言葉を引き出すため、「食べるときにどっちの手を使う?」と聞きました。15名ほど居た教室の中で3人左利きがいましたね。「右に行く」でも問題はありませんが、自然に話すなら「曲がる」です。

 これらを理解してもらったらやっと活動開始です!

 黒板上の地図に、どこでも良いので現在地を記します。その現在地から適当な場所まで案内。まず先生が例としてやってみます。
 例えば…

 現在地から【東】に進みます。
 1つ目の【交差点】を【右】に曲がります。
 2つ目の【T字路】を【左】に曲がります。
 真っ直ぐ進むと、【右】に建物があります。
 今どこですか?

 このような言い方で案内しました。【 】の中だけ適宜入れ替えるだけで案内が可能です。このような簡単なテンプレートを与えることで、この後の活動がスムーズに進められます。これらを2回くらい練習してみたらいよいよ本番。下の写真の地図を黒板に書いて、学生にやってもらいます。雑談しながらでしたから、ここまでで50分くらい掛かりました。

 ①から⑮までの地点がありますが、もっと地点を増やしてもいいと思います。実際足りないなあと思って直前に25地点にまで増やしました。
 ルールは簡単。学生には好きな現在地(出発地点)とゴールとなる目的地を決めてもらいます。ここで重要なのは、目的地は他人に言わないで秘密にすることです。現在地から目的地までの案内を教壇まで来てもらって説明してもらい、到着したら他の学生に「今どこ?」と聞いて当ててもらう。これが中々ウケました!

 あるはずの無い交差点をあるはずの無い方向に曲がったり、今どこにいるのか分からなくなったりするのは普通ですが、つたなくても最後まで伝えることがポイント。みんな意地になって日本語だけで案内してくれたので、ゲームとしても大変盛り上がりました~。中にはちょっと遠回りしてわざと複雑にしたり、テンプレートを自分流にアレンジしたりと2年生らしい部分が垣間見える場面もありましたよ! 結局6人くらいに教壇に来て案内に挑戦。内容が内容ですから全員チャレンジするのはできませんでしたが、手ごたえ抜群の授業でしたね。

 十字路、T字路が配置されてる地図を用意するだけで出来る授業ですから、ぜひ試してみてください!

“【第19課】道案内してみよう!” への3件の返信

  1. シルビア

    今日は
    道案内にて、先日から生徒さんに聞かれて、
    右へ曲がってください
    右に曲がってください
    両方とは違いは何でしょうか。
    当時、説明したのは方向性と目的性の違いでした。
    そして、みんなの日本語教科書から見て「右へ曲がってください」で書いてあったんですが、他の書類とかほとんど「右に曲がってください」と使いました。
    こういう時に、どのように説明したら、生徒さんが簡単に理解できるのでしょうか。

    返信
  2. そうじ 投稿作成者

    こんにちは、シルビアさん!
    コメントありがとうございます。

     道案内などの移動に限った格助詞としての「へ」と「に」の違いですが、「へ」は移動や動作の方向を表します。一方で「に」は移動や動作の到達地点を表します。”右へ”も”右に”も意味自体は全く同じですし、お互いに言い換えることもできます。どちらを使ってもいいですよ。
     私が授業した時も聞かれたんですが、文法的な事は省略して意味は同じだからどっち使ってもいいよ!と言いました。そのうえで「に」の方が口語的だからこっちを使うともっといいかもとも言った記憶があります。

    シルビアさんがおっしゃる通り、「に」は用法が多く、目的の用法もあります。例えば、山に登るとかですね。しかしこの時は移動ではなく目的として「に」が使われているので、こういう場合は「へ」に言い換えることはできません。

    ①学校へ行く
    ②学校に行く

    意味は全く同じですが、「に」には目的の用法があるため、①学校へ行くはただ学校が目標到達地点であるだけなのに対し、②学校に行くは学校に行って勉強などをするという付属的な目的まで示唆している感じがします。

    お役に立てましたでしょうか…?

    返信
  3. シルビア

    そうじさん、
    詳しく説明いただいてありがとうございました。
    普段は使っても気を使わないですね
    格助詞の違いと固定言葉の使い「山に登る」など、改めて勉強になりました。
    本当にありがとうございました。

    返信

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