2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題4解説

問1 述語の否定形の作り方

 選択肢1
 「知る」「作る」「ある」は全て五段動詞です。五段動詞の否定形の作り方は「動詞語幹+anai」ですが、「ある」は「あらない」とはならず、「ない」と例外的な活用をします。

 選択肢2
 「明るい」「悪い」「良い」は全てイ形容詞です。イ形容詞の否定形の作り方は「イ形容詞語幹+くない」ですが、「良い(いい)」は「いくない」ではなく、「よくない」と読みます。

 選択肢3
 「楽しい」「難しい」はイ形容詞で、「きれい」はナ形容詞です。イ形容詞の否定形の作り方は「イ形容詞語幹+くない」、ナ形容詞の否定形の作り方は「ナ形容詞語幹+ではない」です。それぞれ活用が違います。

 選択肢4
 「見る」「出掛ける」「できる」は全て一段動詞です。一段動詞の否定形の作り方は動詞末尾の「る」を「ない」に変えるだけです。「見ない」「出掛けない」「できな」と全て同じ活用をします。

 したがって答えは4です。

 

問2 応答表現「いいえ」の用法

 選択肢1
 「あなたは学生ですか?」のような真偽疑問文には「いいえ」と答えることができますが、「どこに行きますか?」のような疑問詞が含まれる疑問詞疑問文に「いいえ」と応答することはできません。

 選択肢2
 相手の質問「あなたは学生ですか?」に対しては「いいえ、社会人です」や「いいえ、学生ではありません」のように、後ろが肯定文であっても否定文であっても「いいえ」を使用できます。

 選択肢3
 相手の質問「あなたは学生ですか?」に対しては「いいえ、学生ではありません」と否定的応答にも用いることはできますが、話題転換に「いいえ」を使えるということはないと思います。

 選択肢4
 相手の質問「あなたは学生ですか?」に対して「いいえ」を用いることはできますが、相槌に「いいえ」は使えません。通常相槌は「はい」「うん」「そうですね」などです。

 したがって答えは2です。

 

問3 否定の焦点

 1 「じゃありません」が否定しているのは「一人で生きている」です。
 2 「じゃありません」が否定しているのは「電車で」です。
 3 「じゃありません」が否定しているのは「わざと」です。
 4 「じゃありません」が否定しているのは「お金が欲しくて」です。

 選択肢1だけが下線部を否定していません。
 したがって答えは1です。

 

問4 二重否定の構文が持つ意味やニュアンス

 文章中にある「楽しくなくはない」や「面白くないわけじゃない」などが二重否定の構文です。

 「楽しくなくはない」は「楽しい」を2回否定しているので、素直に意味を取ると「楽しい」ですが、決して「楽しい」と言っているわけではなく、どちらかというと「楽しくない」寄りの「楽しい」と受け取れます。これは肯定文よりも否定文の意味に近いと言えます。

 したがって答えは4です。

 

問5 語用論的に適切ではない応答

 選択肢1
 許可「~てもいいです」の否定文として導入されるのは禁止「~てはいけません」です。
 「このペンを使ってもいいですか」への応答に「このペンを使ってはいけません」と答えると語用論的に不適切な場合があります。本当に禁止ならそう言うこともありますが、わざわざ強い禁止表現を使うまでもない場面もあります。

 選択肢2
 「~です」の否定形は「~ではありません」です。
 「大学生ですか?」に「大学生ではありません」と答えるのは自然です。

 選択肢3
 「~たことがありますか」の否定形は「~たことがありません」です。
 「見たことがありますか?」に「見たことがありません」と答えるのは自然です。

 選択肢4
 「~ることができますか」の否定形は「~ることができません」です。
 「運転することができますか?」に「運転することができません」と答えるのは自然です。

 したがって答えは1です。

 





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説