2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3C解説

 2019年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3C
 C【取り立て助詞「も」】

(11)助詞

 1 助動詞
 2 副詞
 3 比較や起点を表す助詞
 4 形式名詞

 したがって答えは3です。

 参考:日本語の品詞について - 形式名詞

 

(12)取り立て助詞

 選択肢1
 格助詞「の」についての説明です。

 選択肢2
 モダリティについての説明です。
 モダリティ/ムード/法 (mood)とは、述語の後ろに形態素を付加することによって命題に対する認識や判断や聞き手に対する態度を表す文法カテゴリーの一つ。ここでの命題とはその文における客観的な内容の部分のことであり、命題に対する認識や判断を表すものの対事的モダリティと、聞き手に対する表現の対人的モダリティに分けられる。なお、対人的モダリティは主に終助詞のことを指す。
 参考:ヴォイス・アスペクト・テンス・モダリティについて - モダリティ/ムード/法 (mood)

 選択肢3
 助詞についての説明です。

 選択肢4
 取り立て助詞の説明です。「暗示された要素」という部分がポイントになります。
 取り立て助詞とは、文面にはない情報を暗示して意味を加える助詞のこと。例えば、「私も日本人です。」では、まず「私は日本人である」ことを明示しつつ、「も」によって「自分以外にも日本人がいる」ことを暗示している。
 参考:日本語の品詞について - 取り立て助詞

 したがって答えは4です。

 

(13)「も」の基本的な用法

 文章中に「『も』の基本的な用法」とあります。「私も学生です」「夏も冬も好き」のような「も」の使い方を指しています。この「も」は他の事柄と同様であることを表す並列や付加の意味を持ちます。

 私は選択肢3「類似」を選んでしまいましたが、冷静に考えると「並列」ですね…
 したがって答えは1です。

 

(14)命題を取り立てる取り立て助詞

 命題とは、その文における客観的な内容の部分のこと。

 取り立て助詞は、直前に取り立てた要素から文中で触れられていない要素を暗示することができます。

 1 「早くも」「来年にも」
 2 「日本でも」「海外でも」
 3 「来ても」「来なくても」→「気にも留めてない」
 4 「頭も」「薬も」

 選択肢3「彼が来ても来なくても」だけ聞くと、後項に”どっちでも構わない”のような内容が来ると分かります。これは「来ても来なくても」の取り立て助詞が、命題である後項を暗示していると言えます。

 したがって答えは3です。

 

(15)「も」の「意外さ」の用法

 選択肢1
 意外性を表すことができる取り立て助詞には「も」「さえ」「まで」がありますが、「でも」は意外性の用法がないと思います。

 選択肢2
 正しいです。

 選択肢3
 「あの人さえも知らないんだ」のように「さえ」は意外性を表すことができますが、前後の特別な文脈に依存することなく用いることができます。

 選択肢4
 「子どもまで駆り出される」からは「大人も駆り出されている」ことが自然と分かります。取り立てた要素である「子ども」と連続性が認められる「大人」を自然に思い浮べることができるからです。この文から「人形も駆り出されている」と考える人はいません。よって「まず」は取り立てる要素と暗示される対象との間に連続性がなければ使えません。

 したがって答えは2です。





2019年度, 日本語教育能力検定試験 解説