言語処理と談話理解について

 

言語処理

★★★ トップダウン処理 (top-down processing)

既に持っている背景知識や文脈、タイトル、挿絵、表情などから推測しながら理解を進めていく言語処理方法のこと。

★★★ ボトムアップ処理 (bottom-up processing)

単語や音、文法などの言語知識を用いて、細かい部分から徐々に理解を進めていく言語処理方法のこと。

☆☆☆ 補償モデル

既に持っている背景知識や文脈、タイトル、挿絵、表情などから推測しながら理解を進めていくトップダウン処理と、単語や音、文法などの言語知識を用いて、細かい部分から徐々に理解を進めていくボトムアップ処理を併用して理解を進めていく言語処理方法のこと。

 
 

談話理解

★★★ 推論 (inference)

読解において文章中に明示されていない情報を予想すること。橋渡し推論と精緻化推論に分けられる。

★☆☆ 精緻化推論 (elaborative inference)

文章から読み取った事柄をもとに具体的なイメージを膨らませること。主人公の顔、髪型、表情、性格、様子を想像したりするのがこれにあたるが、想像したイメージは人によって異なる。橋渡し推論とは異なり、精緻化推論ができなくても理解には影響しない。

★★★ 橋渡し推論 (bridging inferences)

直接表現されていないことを、文脈や既有知識によって理解すること。例えば、「向こうで一輪車を練習してた子供が大きい声で泣いていた。私は近づいて、『大丈夫?』と声をかけた。」では、「子供は一輪車から落ちて怪我をした」という推測が橋渡し推論にあたる。橋渡し推論は読解中に常に行われており、正しく推論できなければ理解に大きな支障が生じる。

☆☆☆ 心的表象 (mental representation)

読み手がテキストを読んで記憶に残ったもののこと。テキストを理解するときの心的表象には、「表層的記憶 (surface memory)」、「命題的テキストベース (prepositional text base)」、「状況モデル (Situational Model)」の3つのレベルがあり、これら全てが一貫性のある心的表象を形成することによって、テキスト理解がなされるとされる。

表層的記憶/表層形式
(surface memory)
心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストに提示されたそのままの単語やその語順の記憶のこと。最も記憶に残りにくいのはこのレベルの記憶で、語や文の意味が理解できなくても記憶することができる。
命題的テキストベース
(prepositional text base)
心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストの意味そのものの記憶のこと。テキストの命題がネットワークを形成することによって得られる文の意味が記憶されていると考えられている。語や文の意味が理解できなければ、このレベルの表象は形成できない。
状況モデル
(Situational Model)
心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストに記述された情報に読み手のスキーマから関連する情報を付け加え、精緻化されたイメージなどの記憶のこと。このレベルの記憶は最も記憶に残りやすい。

☆☆☆ 表層的記憶/表層形式 (surface memory)

心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストに提示されたそのままの単語やその語順の記憶のこと。最も記憶に残りにくいのはこのレベルの記憶で、語や文の意味が理解できなくても記憶することができる。

☆☆☆ 命題的テキストベース (prepositional text base)

心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストの意味そのものの記憶のこと。テキストの命題がネットワークを形成することによって得られる文の意味が記憶されていると考えられている。語や文の意味が理解できなければ、このレベルの表象は形成できない。

☆☆☆ 状況モデル (Situational Model)

心的表象における読み手がテキストを読んで残った記憶のうち、テキストに記述された情報に読み手のスキーマから関連する情報を付け加え、精緻化されたイメージなどの記憶のこと。このレベルの記憶は最も記憶に残りやすい。

☆☆☆ テクストからの学習/テキストからの学習

数学の学習のように、テキストを読んでそこから新しい情報や応用可能な知識を獲得する過程のこと。

★☆☆ プロトコル法/プロトコル分析/発話プロトコル法

被験者の考えていること、思考の流れを客観的に測定する方法のこと。例えば何かしらのタスクを与え、それを遂行するにあたり、被験者が考えたこと、思ったことを常時全て発話させる。この発話した内容をプロトコル・データと呼び、その発話を分析することによって、思考の流れを解明する。

★☆☆ プロトコル・データ/プロトコル

プロトコル法/プロトコル分析における、被験者の発話した内容のこと。

★☆☆ 演繹的思考

普遍的な前提から、具体的な結論を導き出す思考法。

★☆☆ 帰納的思考

具体的な事実から、普遍的な結論を導き出す思考法。

☆☆☆ 拡散的思考

既知の情報から様々な方面に考えを拡散させ、新たな考えを生み出す思考法。ブレーンストーミングなどのアイディアを生み出すときに用いる。

☆☆☆ 収束的思考

既知の情報から論理的に思考を進めていき、唯一の早く正しく到達するための思考法。数学などで用いる。

☆☆☆ クリティカル・シンキング/批判的思考 (critical thinking)

目の前にある情報を鵜呑みにせず、本当に正しいのかと疑うことで考えを深め、最適解に辿り着こうとする思考法のこと。





日本語教育能力検定試験 解説, 用語集