日本語の敬語について

 

敬語 ★★★

敬語の分類

素材敬語
話題の中の人物への敬意を表すもの
尊敬語 相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その物を立てて述べるもの。
 例)いらっしゃる、おっしゃる、なさる、召し上がる、お使いになる、御利用になる、読まれる、始められる、お導き、御出席、(立てるべき人物からの)御説明、お名前、御住所、(立てるべき人物からの)お手紙、お忙しい、ご立派
謙譲語Ⅰ 自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。
 例)伺う、申し上げる、お目に掛かる、差し上げる、お届けする、御案内する、(立てるべき人物への)お手紙、御説明
対者敬語
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
謙譲語Ⅱ
(丁重語)
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
 例)参る、申す、いたす、おる、拙著、小社
丁寧語 話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。
 例)です、ます
敬語に準じるもの 美化語 ものごとを、美化して述べるもの。
 例)お酒、お料理

 

「お」と「御」の使い分け

 一般に、和語には「お」、漢語には「御」をつける。ただし、例外もある。

お忙しい、お名前、お酒、お手紙
御立派、御祝儀、御住所、御説明…
(例外)お料理、お化粧、お加減、お元気…

 

★☆☆ 二重敬語

 二重敬語とは、一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの。例えば、「お読みになられる」は、「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で、更に尊敬語の「……れる」を加えた二重敬語である。二重敬語は一般に適切ではないとされるが、「お召し上がりになる」「お見えになる」「お伺いする」「お伺いいたす」「お伺い申し上げる」のような習慣として定着しているものもある。

 

★☆☆ マニュアル敬語

 マニュアル敬語とは、職場での、特に接客の場面で使用する敬語のこと。「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」「1,000円になります」「1,000円からお預かりします」「お箸のほう、お付けしますか」「お値段、サービスさせていただきます」などが挙げられる。これらは日本語の一般的な文法から説明が困難だが、接客の場面ではよく用いられる表現である。

 

★★☆ 絶対敬語と相対敬語

 絶対敬語とは、状況や場面によらず、話題の人物が自分より目上の場合は敬語を使うという敬語の使い方のこと。韓国語は絶対敬語で、日本でも関西地方の方言には絶対敬語が見られる。
 相対敬語とは、状況や場面によって尊敬語になったり謙譲語になったりする敬語の使い方のこと。日本語の共通語は相対敬語。

 

★☆☆ 敬意低減の法則/敬意逓減の法則

 かつてその語が持っていた他者に対する敬意が時間の経過、時代の変化とともに薄らいでいくこと、またはその法則のこと。「貴様」や「お前」は元々相手を敬う語だったのが、今では軽蔑の対象に用いられるようになったことなどが代表的な例として挙げられる。

 
 参考:文化審議会答申『敬語の指針』(平成19年2月2日)





日本語教育能力検定試験 解説, 用語集