「どうして」「なんで」「なぜ」の違い

 原因・理由を表す「どうして」「なんで」「なぜ」は、意味こそ同じですが、その語幹は微妙に異なります。その使い分けに明確な線引きはできませんが、ここではその大まかな違いについてまとめます。

 

「どうして」は感情的な言い方

  (1) どうしてあんなことを言ってしまったんだろう。
  (2) お前はどうして遅刻したんだ。
  (3) 休日はどうしてこうも短いんだ。

 「どうして」は話者の感情を含んだ言い方で、不満や驚き、後悔、不思議など様々な感情を表します。例文(1)ではあんなことを言ってしまったことに対する後悔、(2)では遅刻したことに対する問い詰め、(3)では不満や驚きです。

 本来理由や原因を問うものですが、「どうして」にはそれ以上に話者の感情が含まれているため、実際は理由を聞いていないケースも珍しくありません。例文(1)(3)はその典型的な例で、その理由よりも感情面の部分が強く表れています。

 

「なんで」も感情的で、若者がよく使う言い方

  (4) コーラを飲むとなんでしゃっくりが出るんだろう。
  (5) なんで宿題をやらないといけないの。
  (6) 猫はなんでこんなに可愛いんだ。

 「なんで」は「どうして」とともに話者の感情を含んだ言い方ですが、こちらは口語的(話し言葉)で日常会話において子供や若者がよく使います。大人が使うと子供じみた印象を与えることもあり、目上には使いにくいです。

 

「なぜ」は理由だけを聞く理性的な言い方

  (7) 人はなぜ占いを信じるのか。
  (8) 食事の後はなぜ眠くなるのだろうか。
  (9) お風呂入るとなぜ目が覚めてしまうのか。
  (10) なぜ泣いているんですか?

 「なぜ」は話者の感情を含みにくい理性的な言い方で、文語的(書き言葉)です。そのためやや丁寧な印象を与えます。「なぜ」には感情的なニュアンスがほぼないため、上記の例文(7)(8)(9)のような知識の探求、学術的な場面など、その理由・原因だけを純粋に問う場面では必ず「なぜ」が用いられます。

 一方、例文(10)ではただ泣いている理由を知りたいだけなので、実際に泣いている人に対して用いると感情のない冷たい人と思われるかもしれません。感情が必要な場面では「どうして」「なんで」を用いたほうがいいこともあります。

 

「どうして」「なんで」「なぜ」の比較

(告白を断られ)
A:どうして付き合えないんですか?
B:なんで付き合えないんですか?
C:なぜ付き合えないんですか?

 前述の通り、AとBには話者の感情が含まれています。付き合ってくれないことに対する不満が前面に出ながらも理由を聞く姿勢が見られます。このケースでは不満の感情が含まれるため、一度断られたもののまだ諦めたくない気持ちを表すことができます。

 Cはただ単純に付き合えない理由を知りたいという姿勢が見られます。このケースでは不満や残念な感情はほぼ無いので、諦めたくない気持ちもほぼありません。つまりすでに諦めていながら理由だけを知りたいときに使えます。

 

もちろん例外もある

どうして なんで なぜ
感情的 感情的 理性的
口語的 口語的 文語的
若者がよく使い、目上には使いにくい 純粋に理由だけを聞き、それ以外については問わない

 この3つの違いは以上のようにまとめられますが、もちろん例外もあります。「なぜ」が使われても感情を含む場合もありますし、目上に「なんで」を使える場合もあります。あくまでも大まかな違い、参考程度にとどめてください。

 





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