平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題9解説

問1 外界からの刺激

 1 見るよりも聴いた方が印象に残りやすいようです。
 2 カクテル・パーティ効果の記述。雑音がひどい環境の中でも、自分に必要な事柄だけを選択して聞き取ったり、見たりできる現象、またはその選別能力のこと。
 3 経験則から、最初の方は覚えていて、後に行くにつれて覚えられなくなります。
 4 時間が短ければ見るよりも聴いた方が印象に残りやすい(選択肢1)ですが、十分に時間があれば見る方が記憶されやすいです。

 したがって答えは4です。

 

問2 第二言語の学習者のインプットの処理の仕方

 1 母語を使って第二言語を解析することもあります。
 2 第二言語でも文脈は考えられます。
 3 文法的な意味を持つ機能語よりも、語彙としての意味を持つ内容語の方が処理されやすいです。
 4 どちらかというと文の最初や最後が処理されやすいのではないでしょうか。

 したがって答えは3です。

 

問3 長期記憶

 長期記憶 (long-term memory)とは、アトキンソン (Atkinson)とシフリン (Shiffrin)が提唱した二重貯蔵モデルで提唱された概念。長期的かつ半永久的な情報が貯蔵されている容量に限界のない記憶領域のこと。

 選択肢1
 引き出しが奥にあって取り出せなくなるようなイメージです。長期記憶は永続的に貯蔵された記憶ですが、思い出しにくくなることはあります。

 選択肢2
 物事を記憶するには「思い出す(アウトプットする)」過程が重要です。時間を置いて練習するほうが効果的です。

 選択肢3
 精緻化リハーサル。既有知識と関連付けて長期記憶に転送することです。

 選択肢4
 手続き的記憶。長期記憶の一つで、物事のやり方はノウハウなど、体で覚えた記憶のことです。言葉で説明することはできません。

 したがって答えは2です。

 

問4 ワーキングメモリ

 ワーキングメモリ/作動記憶 (working memory)とは、「記憶には短期記憶と長期記憶があるという考え方」の二重貯蔵モデルで示された短期記憶には、ある情報をとどめつつも並行して長期記憶にアクセスしたり、別の情報を加えたりする情報処理の役割が備わっているという考え方のこと、またはその情報処理を行う作業領域のこと。作動記憶や作業記憶とも呼ばれる。短期記憶の概念から更に発展させた概念で、現在では主流となっている考え方。ワーキングメモリに貯蔵された情報は15秒~30秒ほど保持するといわれており、それらの情報が長期記憶に転送されなければワーキングメモリ上から消され、忘却が生じる。

 1 並行処理が多くなると精度も効率も低下します。
 2 子どものほうが処理容量が少ないはずです。
 3 ワーキングメモリから長期記憶に転送されないと、それは忘れてしまいます。
 4 ワーキングメモリは言語処理と短期記憶の役割が備わっています。

 したがって答えは1です。

 

問5 外国語副作用

 外国語副作用 (Foreign language side effect)とは、学習者が学習中の第二言語を用いているとき、処理資源(ワーキングメモリの処理能力)をその第二言語の処理にとられるため、知的レベルが全般的に低下する心理現象のこと。

 したがって答えは3です。





平成27年度, 日本語教育能力検定試験 解説