1年生後期会話

 今日は「~てみる」の授業をしました。この文法自体は1年生の後期に既に勉強した内容。なので2年生には簡単すぎるとは思ったんですが、実は一つ試してみたいことがあったのでこの時期まで温存していた教案です。

 まずは簡単に「~てみる」の意味について説明します。

 ①死にたい。
 ②死んでみたい。

 この2つの違いは何でしょうかと学生達に聞きます。すると、既に理解している学生から「試す」という言葉が聞こえてきました。確かに「試す」という意味がとても強い文法ですね。もうちょっと踏み込んだ理解のために、①の目的は何? ②の目的は無い? と聞いてもいいかもしれません。

 ①の目的はズバリ死ぬことです。死ぬことで目的が達成されるからです。
 一方②の目的は、“死んだ後どうなるか分からないから、それを知りたい”という感じでしょう。つまり好奇心。死の先に何があるのか、あるいは死とは何かを確かめたい。そんなニュアンスがあります。とある学生は「生まれ変わるため」なんて言ってました。死を前にして実にポジティブな発想ですよね!

 ここまできたら、「~てみる」の様々な派生形にも簡単に触れます。

 ~てみてください
 ~てみたほうがいい(強めのアドバイス)
 ~てみたらどうですか?(弱めのアドバイス)
 ~てみよう(意向形)

 ここで、学生一人を指名して「私の名前を書いてみて」と言います。黒板まで来て名前を書くんですが、私の名前には「龍」という中国人にとって非常に難しい漢字があるのでいつも頭を悩ませます。ちゃんと書けたかどうかを判定した後は「私の名前を書いてみて」の「みて」に注目させましょう。この「みて」は、果たしてちゃんと書けるかどうかを試すという意味です。このように実践すると分かりやすいですね。

 そしたら、この教案の本番。
 「~してみたらどう?」という文法を使って、先生に何かアドバイスをください!

 この教案は今学期最も盛り上がった授業となりました。笑い過ぎて正直疲れてしまうほどです。
 学生からは、いろんなアドバイスが飛んできました。例文とは違い、これら学生が本当に考えてくれたアドバイスです。一つひとつの話を拾って会話を広げてあげましょう。盛り上げられるかどうかは、ちゃんと拾ってあげられるかにかかってます。

 ①先生、男と付き合ってみたらどう?
  質問した学生は腐女子です。いわゆる男性と男性の恋愛に非常に興味を持っている女の子です。ここから腐女子の話に脱線しました。

 ②先生、中国に定住してみたらどう?
  自分の定住に関する意見を言ったら、次は学生達に「日本に定住したいかどうか」を聞いて回りました。

 ③先生、私たちに日本料理を作ってあげてみたらどう?
  私が料理を作って学生に振る舞うことを希望していましたが、私が「みんなで作ろうよ!」と言った事が発端でみんなで料理することに。来月は冬至があるので、その時に2年生みんなで水餃子パーティをする約束にまで発展しちゃいました。

 ④先生、髪を短くしてみたらどう?
  最近髪を切ったのにも関わらず、さらに短くするようにアドバイスしてくれた学生もいました。日本人にとっては普通の長さでも、中国人にとっては長いと感じます。この認識の差は面白いところですよね。

 ⑤先生、学生と付き合ってみたらどう?
  これは言われた時ドキッとさせられましたね。もし日本ならまずクビになると思う。クビになりたくないなぁーと流しつつ、中国はどう?という返しをしました。中国では大学院は問題なく、大学はグレーゾーンだそうです。いずれにしても教師のモラルの問題が問われますから、信頼関係のためにも、少なくとも在学中はダメだと思うよと言いました。こういった恋愛関係の話はどのクラスでも関係なく盛り上がります。

 等々。

 これらを聞くのはかなり緊張させられましたが、結果とても充実した授業となりました。このような自虐的な授業は初めてしたんですが、こういう方法もあるんだなあと、何か一つ成長した気がしますね。
 この教案だと1年生の語彙力ではやや難しいと思うので、2年生まで待って正解でした。是非ご参考に。

1年生後期会話

 2年生の今日の授業では「~てしまう(~ちゃう)」を勉強しました。
 この文法は意味が2つあります。

 ①完了
 ご飯を全部食べちゃった。
 「一つ残らず全部」というニュアンスがあります。「全部/全て/みんな…」といった言葉とよく呼応します。

 ②残念・後悔
 お菓子を食べちゃった。
 「本当はしたくないけど」という気持ちがありますが、結局自分やその状況をコントロールできなかった。残念、後悔のニュアンスがあります。

 どちらも1年生後期で既に勉強していましたが、より使えるようになると便利な②の用法を中心にしました。「スマホを無くした」よりも「スマホを無くしちゃった」のほうが気持ちが入って、より富んだ表現になります。

 メガネが壊れちゃった。
 私は両親にこの世に残させられちゃった。
 私が愛している人は別の人を好きになっちゃった。

 特に「あの人に彼氏ができちゃった。」「あの人に彼氏ができた。」の違いに触れると分かりやすかったです。
 前者は残念な感情が全面に出ますが、後者は嬉しいかもしれないし残念かもしれない。要するに感情が分からないので状況も把握できません。もし気持ちを伝えたいのなら前者を使うべきです。

 今回もいろんな例文が誕生しました。2年生は恋愛に関係する話題がすごく多いので、毎回例文を作るのが楽しみになってきました。「後悔したこと」というテーマを与えようと思ったんですが、テーマがなくても自由に作ってくれるようになってきましたね。

 「お姉ちゃんが結婚してしまった」
 この例文に対して数人が異論を唱えました。お姉ちゃんが結婚することは残念なことじゃない!という内容です。しかしお姉ちゃんと私がとても仲が良くて、家からいなくなってしまうことを残念だと思うのなら正しい文だと言えます。このように、場合によっては背景を考えなければいけないケースもあるところにも注意すべきです。

1年生後期会話

 2年生を対象に使役受身(~させられる)を勉強しました。受身と使役は1年生後期に既に勉強していて、教科書の中でもこれら3つはほぼ同時期に勉強することになっています。しかし複雑な動詞変化も相まってかなり混乱しやすい部分ですから、特に難しいと思われる使役受身のみ2年生の今の時期までずらしました。

 まずは復習がてら、使役と受身の変化を確認。
 いつも通り学生に五段動詞数個、一段動詞数個自由に挙げてもらい、使役と受身へ変化させます。
 この時、使役受身のために「~す」で終わる五段動詞を一つ挙げてもらいましょう。後々のために必須になります。

 変化が比較的簡単なのは一段、カ変、サ変です。一段とカ変は「ない形+させられる」で使役受身形を作ることができます。サ変は「させられる」。
 五段動詞の場合は少々複雑です。重要なポイントは全部で3つ。

 ①五段動詞も一段動詞と同様に「ない形+させられる」で作るが、一般的には短縮形されて「ない形+される」で言われることが多い。

 ②「~す」で終わる動詞(話す、直す、刺す…)は、「ない形+される」の言い方がない。話される/直される/刺されるは全て受身形の言い方。

 ③「~す」で終わる動詞は「ない形+させられる」だけ使うが、この規則に当てはめると「話ささせられる」となり「さ」が一つ余分。この「さ」は1つ消されて「話させられる」になる。要するに接続は「ない形+せられる」。

 その次に、例を挙げて意味を確認します。
 例えば、携帯を買いに行ったときに店員さんが押し売りしてきて、結局嫌々買ってしまったシチュエーション等々。使役と対にして述べると分かりやすいです。
 ・店員に私に携帯を買わせた。(使役)
 ・私は店員に携帯を買わされた。(使役受身)

 ・先生は私に給食を全部食べさせた。(使役)
 ・私は先生に給食を全部食べさせられた。(使役受身)

 全体が理解してくれたところで、一人ひとり例文を挙げて考えてもらいます。テーマは「子供の頃、先生や親に何をさせられた?」としました。
 ・私は母に薬を飲まされた。
 ・私は先生に宿題をさせられた。
 ・私は両親にこの世に来させられた。
 いろいろな例文が挙がりました。

 久しぶりに難しそうな顔をしていましたので、来週以降も復習していきたいです。
 また「させられた」が上手に言えない人もいますから、授業中に言う練習しておくのもいいでしょう。