センスを感じる言語表現

日本語教師のお仕事

 先生、車が飲むものは何ですか?

 壁の向こうにある建物を指差して「これは何の学校?」と質問し、その解答に困った学生が逆質問してきたときの内容です。これを聞いた私はその場に倒れて爆笑でした。

 本来日本人なら、給油・燃料・エネルギーなどという言葉を使うところ、彼はこのような言葉を選んだのです。彼のは凄まじく常識から逸脱した表現といえます。

 適切な言葉を知らなかったことは問題ではありません。そこに私が勉強不足だとか、なんで知らないんだとか言う気も毛頭ありません。やや言いすぎかもしれませんが、センスがあり天才的だとすら思いました。爆笑には蔑みの意味はなく、純粋に天晴れの意味です。

 学生と会話をしていれば、新しい日本語が生まれることがあります。それはネイティブには決して生み出せない日本語で、学生の中にある中間日本語が作り出す偶然の産物。日本人は普通言わない表現ですが、文法も間違っていなければ意味が分からないわけでもない。訂正する必要がないのです。

 この学生のおかげで、表現の底が見えなくなりました。
 ”彼らの日本語”を自由に使って会話を楽しんでほしいですね。





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