平成27年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(15)解説

(15)複合名詞と複合動詞の対応

 複合名詞が並んでいます。まずはこれらを複合動詞に直してみます。

辞書形 連用形/マス形
着回す 着回し(ます)
持ち込む 持ち込み(ます)
見直す 見直し(ます)
✕走り書く ✕走り書き(ます)
やり過ぎる やり過ぎ(ます)

 1、2、3、5は辞書形がありましたが、4だけはありません。
 だから答えは4です、ということなんですが、もう少し詳しく説明します。

 一部の動詞は連用形(マス形)にすると名詞として使えます。例えば「泳ぐ」をマス形にした「泳ぎ」は「泳ぎがうまい」のように名詞として機能する一方、「泳ぎます」のようにマスをつけることで述語にもなれます。「着回し」「持ち込み」「見直し」「やり過ぎ」は名詞ではありながら、実は連用形でもあります。

サ変動詞語幹+する 名詞/サ変動詞語幹
走り書きする 走り書き

 「やり過ぎ」が何だか他と違うと思った人は作問者に騙されています。「やり過ぎる」は一段動詞なので他と活用が違うからおかしいと思ってしまっています。
 しかし辞書形と連用形という活用から見れば同じものです。

 




2023年8月26日平成27年度, 日本語教育能力検定試験