一年生の拍と長音・促音指導!

日本語教師のお仕事

 今日の1年生の授業は「長音・促音」について。1年生はまだまだ拍が身についていないため、結構な頻度で単語を言い誤ります。日本人が聞くと、一瞬「ん?」となるけど理解できるものから、まったく理解できないものまで様々。たとえば、とある学生が「姪(めい)」を「(目)め」と発音したため、私はてっきり視力の話をしているのかなと完全に思い込まされたことがあります。「めい」の「い」は長音です。中国人はこの部分がとても苦手なのです。

 そして、長音について一つの法則があることに気づきました。法則とは、全ての長音が苦手ではないということです。 

 上の画像の言葉、いずれも長音が含まれている単語です。
青い文字で書かれている部分は、単語の途中にある長音。
赤い文字で書かれている部分は、単語の最後にある長音。
 どうやら、単語の最後にある長音だけ妙に苦手なようなのです。試しに読ませてみると、単語の途中にある長音はほぼ問題なく言うことができます。ところが最後に長音がくると途端に悪くなる。ちなみに、これらの単語を使って文にしたとき、たとえば「スーパーへ行く」などの時も長音が苦手です。理由は不明です・・・私の研究課題とでもしましょう。

 促音については、もれなく全部苦手です。促音とは息を止めるのでもなく、音をなくすわけでもなく、次の音のために口内で準備をするわけです。喫茶なら「kissa」となり、一つ目の「s」が促音にあたります。「s」は摩擦音ですから、この間長い摩擦音が発生するはずです。「河童」なら「p」が促音にあたります。「ぱ」は両唇破裂音ですから、この時の促音は両唇での閉鎖を維持することで表現します。このように「っ」は次に来る音によって発声が変わるのです。今日の授業、促音が特に苦手な学生は、どの促音も息を止めて発音しようとしていました。中国語にはない感覚でしょうから、難しいのもしょうがないですね・・・。今後個別に呼び出して指導する予定です。

 さて、長音も促音もそうですが、何より大切なのが拍(モーラ)です。中国人はこれもとても苦手。拍の授業に使ったのはメトロノーム。本物はなかったので携帯のアプリで代用しました。これがとても良かったと思います。

 「スーパー」は4拍。「ちょっと待って」は6拍。「あっちからそっちに走っていった」は16拍。調音や促音がたくさん含まれる言葉を与え、拍を確認させます。そしてメトロノームが刻まれるタイミングで、1拍を順番に発音させます。最初は120BPM(0.5秒に1拍)の間隔でやってました。徐々に速くしていくと面白いです。メトロノームを使えば、コツを掴んでくれる学生が多かった!しかし、ちゃんと拍数を確認したのに「ちょっ」「と」「待っ」「て」と4拍で区切りたがる学生がはやりいて、彼らの矯正はまだまだ大変・・・。中には謎の5拍もいたりして、教室は笑いが絶えなくて良かったです。

 私の学生に「けいれいえい」さんという方がいます。この学生の名前は長音だらけ。初めて会った時に名前を聞いたところ、彼女は「けれえ」と言いました。私は何度も何度も聞きましたが、何度も何度も「けれえ」と言うのです。つまるところ、拍や長音が身に付いていないので自分の日本語読みすら言えなかったのです。中国人の漢字は音読みですから長音がとても多くなります。拍や長音の指導に利用するといいかもしれません。

 その他、指導した時は大丈夫なのに、いざ意識しないで話すとなるとダメになるというパターンもあります。根気よく指導しなければいけませんね。来週はもうちょっと違った角度から拍の授業をしたいと思ってます。






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