ガ行音の鼻音化とは?
ガ行音の鼻音化とは?
日本語の標準語(東京方言)では、[ɡ]軟口蓋破裂音が [ŋ]軟口蓋鼻音に交替することがあります。これをガ行の鼻音化と呼びます。ガ行鼻濁音は丸くて柔らかい音に聞こえることから美しい日本語とされていましたが、現代では徐々に衰退してきていています。西日本ではもともとあまり鼻音化しなかったり、関東、東北、北陸では鼻音化が保たれていたりと地域差も見られます。
鼻音化する条件として、試験では語中・語尾は鼻音化する(語頭は鼻音化しない)という条件だけ覚えておけば大丈夫!
語中・語尾は鼻音化する(語頭は鼻音化しない)
「学生」の「が」は鼻にかかった音で発音しませんが、「新潟」の「が」は鼻音化します。ガ行音の鼻音化は語頭に起きず、語中・語尾に起きやすいということは必ず覚えてください。
(1) 新潟県 (にいがたけん)
(2) 鏡 (かがみ)
(3) ジョギング (じょぎんぐ)
語中・語尾のガ行音が鼻音化するということは、格助詞や接続助詞のガ行音も鼻音化するということ。それから絶対語中・語尾にくる連濁したガ行音ももちろん鼻音化します。
(4) 私が木村です。
(5) ここまで来たが、まだ道のりは長い。
(6) 笑い声 (わらいごえ)
学生が鼻音化したガ行音を使わなかったらどうする?
鼻音化したガ行音はアナウンサーや声優などでも大切にされている音だそうです。初級ではともかく、中級になればガ行鼻音の存在を教えることになったり、あるいは学生が気づいて聞いてくるかもしれません。先生はそのときどうするか選択を迫られます。スピーチコンテストなどではガ行音が鼻音化されているかどうかに注目する審査員もいて、こういった特別な場合ではある程度指導が必要になるかもしれません。でも実際、日常生活では鼻音化してもしなくても意味は変わらないし、どちらでもいいものを片方にこだわって指導することは無意味です。必要な場合だけ教えるってことでいいと思います。