ガ行が鼻音化する条件について

「がきぐげご」について

 日本語の標準語(東京方言)では、[ɡ]軟口蓋破裂音と [ŋ]軟口蓋鼻音が交替することがあります。これをガ行の鼻音化と呼びます。ガ行鼻濁音は丸くて柔らかい音に聞こえることから美しい日本語とされていましたが、現代では若年層を中心に徐々に衰退してきていています。西日本ではもともとあまり鼻音化しなかったり、関東、東北、北陸では鼻音化が保たれていたりと地域差も見られます。

 以下は鼻音化する条件です。ここに挙げるのは代表的なものです。

 

語中・語尾は鼻音化する

 (1) 新潟県     (にいたけん)
 (2) 三月のライオン (さんつのらいおん)
 (3) 鏡       (かみ)
 (4) 重ね着     (かさね
 (5) ジョギング   (じょ

 

格助詞・接続助詞は鼻音化する

 (6) 私木村です。
 (7) ここまで来た、まだ道のりは長い。
 (8) したがって、このような式成り立つ。
 (9) だしかし、もう間に合わない。
 (10) 「あなたに話あるの。」

 

連濁は鼻音化する

 「空」は単体では「そら」と読みますが、前に「青」が接続して複合語を形成すると「あおぞら」と読むようになります。このように複合語の後部要素の語頭子音が濁音化する現象を連濁と言います。

 (11) 株式会社   (かぶしきいしゃ)
 (12) 壁紙     (かべみ)
 (13) 笑い声    (わらいえ)
 (14) 歯車     (はるま)
 (15) 一人暮らし  (ひとりらし)

 

十分定着している外来語は鼻音化する

 外来語は原則鼻音化しませんが、日本語として十分定着している場合は鼻音化します。
 また、「ン」の後にガ行が来る場合は必ず鼻音化します。

 (16) エネル
 (17) イリス
 (18) スペードのキン
 (19) キログラム (鼻音化しなさそう)

 

数詞の「5」は鼻音化しない

 数詞としての「5」は鼻音化しません。

 (21) 5人
 (20) 5匹の猫
 (21) 15人
 (22) 25日

 数詞としてではなく熟語化したもの、もともとの意味合いが薄れたものは鼻音化します。

 (30) 大五郎(だいろう)
 (23) 十五夜(じゅうや)
 (24) 七五三(しちさん)

 
 

まとめ

 鼻音化は例外が多いので、ここに書いてあるのはあくまで原則。
 スピーチコンテストなどではガ行鼻濁音ができているかどうか注目する審査員もいたりするので、こういった特別な場合ではある程度指導が必要になるかもしれません。でも実際は[ɡ]破裂音でも[ŋ]鼻音でも意味は変わらないので、そこまで徹底した指導は必要なさそう。





2020年12月12日日本語教育能力検定試験 解説, 用語集