母音の無声化で「です」「ます」の発音をキレイに!
母音の無声化
本来発音されるはずの母音が、ある特定の条件下で声帯振動を伴わずに発音されるようになる現象を母音の無声化と呼びます。日本語だけじゃなく多くの言語で見られる現象です。無声化が起きる条件は以下の2つです。
狭母音が無声子音の挟まれたとき
(1) 学生 g a k [u] s e i
(2) 明日 a s [i] t a
(3) 機会 k [i] k a i
(4) ラピュタ r a p y [u] t a
狭母音は /i/ /u/ 、無声子音は /k/ /s/ /t/ /h/ /p/ のことです。
無声子音のウ段の拗音「キュ」「シュ」「チュ」「ヒュ」「ピュ」にも無声化は生じます。ここでは分かりやすくローマ字で書いてますが、拗音の場合はローマ字表記すると /y/ が現れるので見極めに注意してください。
無声子音に狭母音がついた音が語末・文末に来たとき
(5) 私は日本人です。 d e s [u]
(6) 8時に起きます。 o k i m a s [u]
(7) 話 h a n a s [i]
(8) 歌手 k a s y [u]
母音の無声化は必ず起きるわけではなく、上記2つの条件下で起きやすいというだけです。例えば「寿司」「服装」「キツツキ」みたいに無声化する母音が連続する語の場合、全て無声化してしまうと発音が不明瞭になり意味が分からなくなります。意味が伝わらないと意味がないので、こういうときは無声化が避けられたりします。
(9) 寿司 s u s i
(10) 服装 f u k u s o u
(11) キツツキ k i t u t u k i
無声化する場合としない場合の比較
学生の発音を録音しました。
一つは文末の「です」の「す」が無声化している音声、もう一つは無声化していない音声です。どっちがどっちか、聞いてみてその違いが分かりますか?
録音1
録音2
録音1は文末の「す」が無声化していないので不自然な感じがします。一方録音2は無声化がちゃんとできていて綺麗な発音に聞こえます。
先生こんにちは。
私はそんしんひです。
私は19歳です。
私はけいだい出身です。
私の専攻は日本語です。
私の趣味はゲームです。
よろしくお願いします。
狭母音以外にも無声化することがある!
5種類の母音のうち、特に無声化する可能性が高いのは狭母音 /i/ /u/ で90%前後と言われています。だから「母音の無声化」の条件は普通「狭母音が無声子音に~」と書かれます。
でも実際は広母音や中母音(非狭母音) /a/ /e/ /o/ も無声化することがあります。その確率は2~3%と言われててめちゃくちゃ稀です。
(12) はたけカカシ k [a] k [a] s i
(13) ココイチ k [o] k [o] i t i
(14) 墓 h [a] k a
ディスカッション
コメント一覧
いろいろ勉強になりました。
ありがとうございます。
「す」の無声化の比較の録音はどこで聞けるでしょうか。
ファイルをダウンロードまたは再生の場所見つかりませんので
あったらぜひよろしくお願いいたします。
>コナンさん
コメントありがとうございます!
以前録音した音声が消えてしまっていたようで申し訳ありませんでした。
同じ学生の正しい発音と間違った発音を新たに録音したものを載せましたので、よろしくお願いします。
実際このように発音する学生は習いたてほど多いです。
返信ありがとうございます。^^
聞いてみると確かに区別があります。
ずっと発音に癖があると思ってました。
「無声化」のことに気付かなかったかもしれません。
日本語を初めて勉強するとき、
教科書では「です」「ます」の無声化の
説明があったのですこし注意したが
それ以上の説明は全然知りませんでした。
ありがとうございました。
また発音の勉強を続けていきます。(p*・∀・)p
素晴らしいものを発見!!