令和5年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(11)解説
(11)「まで」の用法
「まで」の問題を出すならこれはよくあるやつ。「まで」は格助詞のときもあるし、取り立て助詞のときもあります。
1 極限を表す取り立て助詞(最高難度のものとしての「チーズ」さえ自分で作れるみたいな意)
2 格助詞
3 格助詞
4 格助詞
5 格助詞
取り立て助詞は文中にない情報を暗示する機能を持った助詞です。例えば選択肢1の「チーズまで」は「チーズは作るのはとても難しい」みたいな意味を含んでいます。しかし「チーズを作るのは難しい」という情報自体は文中に暗示されていません。その意味は「まで」が生み出すものです。このような機能を持ったのを取り立て助詞と言います。
格助詞「まで」は範囲の終点を表します。範囲に終点があるということは始点もあるんですが、始点は通常「から」で示されます。例えば「家から学校まで」などの言い方ですね。終点の「まで」があれば始点の「から」を補うことができます。選択肢2~5には始点の「から」がありませんが補ってみましょう。
1 ~からチーズまで?
2 家から会社まで (始点と終点)
3 36.5度から38度まで (始点と終点)
4 今日から3か月後まで (始点と終点)
5 夜から朝まで (始点と終点)
答えは1です。