言語内の誤りとは?
言語内の誤り(intralingual error)
エラーは、それが生じる原因で言語間の誤り(interlingual error)と言語内の誤り(intralingual error)に分けられます。言語内の誤り(intralingual error)とは、第一言語とは関係なく、目標言語の発達途上に起こるエラーのことです。言語内エラーとも言います。次の例を見てください。
(1) きれかったです。 (「きれいだった」の意で)
(2) ゆっくり話いてください。 (「話して」の意で)
(3) 猫を飼っていますですか? (「飼っていますか?」の意で)
(1)はナ形容詞「きれい」をイ形容詞のように活用するエラー、(2)は「話す」の活用に関するエラー、(3)は述語に不要な「です」をつけるエラーです。このようなエラーは学習者の第一言語に関係しているとは考えにくく、目標言語の学習過程における言語知識の不足が原因と考えられます。しかしながら、エラーは「複数の原因が複合的に関係している場合もあって、必ずしも原因が一つに決められるわけではない」(大関 2010:5)です。なお、(1)のようなエラーは過剰般化と呼ばれます。
参考文献
大関浩美(2010)『日本語を教えるための第二言語習得論入門』,くろしお出版,3-5頁
迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』,アルク,25-26頁
小柳かおる(2004)『日本語教師のための新しい言語習得概論』,スリーエーネットワーク,55頁