言語間の誤りとは?
言語間の誤り(interlingual error)
エラーは、それが生じる原因で言語間の誤り(interlingual error)と言語内の誤り(intralingual error)に分けられます。言語間の誤り(interlingual error)とは、第一言語の負の転移により起きるエラー、すなわち学習者の第一言語が原因となって現れるエラーのことです。言語間エラーとも言います。次の例を見てください。
(1) 雨が大きいです。(中国語母語話者の発話例)
(2) 宿題を書きます。(中国語母語話者の発話例)
(3) 薬を食べます。 (中国語母語話者の発話例)
これらの例は全て私が中国語を母語とする日本語学習者から聞いた例です。(1)は中国語で「雨大」と表現することから、母語である中国語の影響を受けて「雨が大きい」となっていると考えられます。(2)は「写作业」と表現し、直訳すると「宿題を書く」です。(3)は「吃药」と表現しますが、これも直訳すると「薬を食べる」です。
参考文献
大関浩美(2010)『日本語を教えるための第二言語習得論入門』,くろしお出版,3-5頁
迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』,アルク,25-26頁
小柳かおる(2004)『日本語教師のための新しい言語習得概論』,スリーエーネットワーク,55頁