「時」と「頃」の違い
ここ「時」と「頃」の違いについて説明します。
お互いに時間や期間を表す言葉ですが、その範囲が少し異なります。
時(とき)
「時」はその時間の範囲がかなり限定的です。
まさしくその時間であることを表します。
(1)眠い時は寝た方がいい。
(2)授業の時は静かにしましょう。
【接続】
名詞+の+時
い形容詞+時
な形用詞+な+時
動詞普通形+時
頃(ころ)
「頃」は時間の範囲が比較的広いです。
漠然とした曖昧な期間、大体そのあたりの時間を表します。
(3)子供の頃は楽しかったなあ
(4)桜が咲く頃にまた会いましょう
【接続】
名詞+の+頃(ころ)
い形容詞+頃(ころ)
な形容詞+な+頃(ころ)
動詞普通形+頃(ころ)
比較
(5)学生の頃
(6)学生の時
これらは同じ意味として扱います。
(7)父が亡くなった時、私は病院にいました。
この「時」は父が亡くなった「瞬間」を指しています。
(8)父が亡くなった頃は母はとても暗かった。
この「頃」は「父が亡くなってからしばらくの間」を指しています。
時間が正確に分からないときは「頃」を使うことが多いです。
(9)あの頃の私はいつも無邪気だった。
(10)8月頃になると海はどこも人でいっぱいだ。
備考
「頃」が接尾辞のような用法あるいは「名詞+頃」の形になるときは、読みは「ごろ」に変化します。
(11)8月頃(ごろ)になると海はどこも人でいっぱいだ。
(12)昭和30年代頃(ごろ)の人々の生活
(13)金曜日頃(ごろ)にしましょう。
「この頃」は2つの読み方があり、それぞれ意味が異なります。
このころ…当時、その時
(14)私はバブル経済が終わったこの頃(ころ)に生まれた。
(15)鉄砲は1500年代半ば、この頃(ころ)に日本に伝来した。
このごろ…最近
(16)この頃(ごろ)ずっとお腹の調子が悪い。
(17)寒さが厳しくなってきた今日この頃(ごろ)。