令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題6解説

1番

 「きがるく聞いてください」言ってます。
 この「く」はイ形容詞で現れるやつ。「美しく」のような「く」。
 でも「気軽(な)」はナ形容詞ですから、ナ形容詞の活用とイ形容詞の活用を混同してるみたいですね。
 答えはaです。

2番

 「父をお送りしました」って言ってます。
 父に謙譲語「お~する」を使う必要はない。
 答えはdです。

3番

 目の前にお皿があって自分の目で見てるのに「素敵そうですね」と、話者が見たり聞いたりしたものから推測される主観的な判断(可能性)の「そうだ」をつけてます。「素敵ですね」と言えばいいのに。この「そうだ」は一般に様態と呼ばれてるやつ。

 だから答えはaです。

4番

 「冷たいそば」が「涼しいそば」になってます。
 形容詞の誤り。答えはbです。

5番

 「多い人」と言いました。「多くの人」って言わないといけません。
 このとき「多く」は名詞になってるから「の」が必要です。
 「多い」に関する名詞修飾の誤りが見られます。
 したがって答えはdです。

6番

 じゃがいもについて「飽きました」というべきところを「飽きることになりました」と言ってました。
 「ことになる」は決定の文法。例えば「進学することになった」みたいな。
 だから答えはdです。

7番

 公式によると答えはb。対象が脱落しているようです。
 「ゆうべから痛いので」と言ってて、何が痛いのか言ってないってことですか?
 でもおかしい。例えば「頭が痛い」における「頭」は「痛い」の対象ではなく「痛い」の主体です。「主体の脱落」だったら分かりますけど、「対象の脱落」ってなんですか? これは問題不成立だと思います。

8番

 「勉強を続けています」が「勉強を続いています」となってます。
 「続ける」と「続く」は簡単ですね。自他の混同。
 答えはaです。




2023年5月20日令和4年度, 日本語教育能力検定試験