令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ 問題4解説

 ※公式の答えが出るまで、市販の過去問が発売されて音声が聞けるようになるまで分からないですけど、一応私の答えを載せておきます。

1番

 試験中に私が思ったことを、メモを頼りに書きます。
 「もってない?」っていう質問に対して「いいえ」って答えました。これで大学生が「もっている」と勘違いしたんだと思います。つまり応答詞「いいえ」の解釈が原因によるコミュニケーションエラー。問1の答えはbです。

 次に大学生は席番号について「エヌ27」と言いましたが、留学生はそのあと「エル27」の席を探し出しました。

 「ヌ」の子音は[n] 有声 歯茎 鼻音
 「ル」の子音は[ɾ] 有声 歯茎 弾き音

 鼻音を弾き音と聞き間違えたってことがここから分かります。良い問題だな~って思いながら聞いてました。
 問2の答えはaです。

2番

 自分が発表するのに「これから発表させていただきます」の意で「これから発表していただきます」と言いました。
 また、発表の終わりに「終わらせていただきます」の意で「終わっていただきます」とも言っています。
 どちらも使役表現「せる/させる」が含まれていない共通点がありますから、問1の答えはcです。

 この学習者は「年代別に見ると」を「年代/別に見ると」、「生活スタイル」を「生活/スタイル」という風に変なところでポーズを入れてました。これ以外にもたくさんあったけどメモしきれませんでした。
 意味的なまとまりはポーズを入れないで読み上げるほうがいいので、意味のまとまりを意識させて読ませることで指導はよさそう。
 問2の答えはbです。

3番

 メモはないけど、確か女性の店員さん、疑問文を喋ってるのに文末イントネーションが平坦か、あるいは下降調でロボットみたいだなーって思っていました。そこからイントネーションに関する選択肢を探したところbがそうだったのでおそらくこれが答えでしょう。問1の答えはbです。

 日本人は「エッグサンド●ほしいです」「シュガー●いれないで」みたいに助詞を省略して話していました。外国人慣れしているのか、あるいは日本語教育経験があるのか、フォリナートークが結構上手だな~って思って聞いてたんですけど、助詞を抜くのは日本語学習者にとっては分かりにくくなることもあります。この場面は注文場面なのでその点に良いも悪いもないですけど。
 というわけで問2の答えはdです。




2022年10月31日令和4年度, 日本語教育能力検定試験 解説