令和4年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(15)解説

(15)引用節の種類

 まず引用節なんですが、発言や思考とかに関する動詞があるとき、その内容が何なのかを補足する節のことです。「残念だと思った」のように、「思った」内容が「と」で表されます。これがとりあえず基本知識。
 そして引用節の種類と聞いて第一感思い出したのは直接引用か間接引用か。

 (1) 先生は「授業中は静かにしなさい。」と怒りました。 (直接引用)
 (2) 先生は授業中は静かにするように言った。      (間接引用)

 直接引用は相手の発言内容などをそのまま無加工で引用する方法。
 間接引用は自分の言い方に直して引用し、原型が無くなる引用方法。
 これを使ってみていってみます。

 1 「今すぐ帰る」は直接引用でもあり、間接引用もあり
 2 「信じられない」は直接引用でもあり、間接引用もあり
 3 「疲れているんだ」は直接引用でもあり、間接引用もあり
 4 「いつか留学する」は直接引用でもあり、間接引用もあり
 5 「一緒に食事をしないか」は直接引用でもあり、間接引用もあり

 いやー… どれもそう見える… この方法だと何だか絞れそうにないんです。みなさんどう思いますか。
 というわけで別案を書いておきますが、何を引用するか、つまり動詞に注目してみたらどうかなって思って。

 1 「口走った」際の発言内容が引用されてる
 2 「つぶやいた」際の発言内容が引用されてる
 3 「こぼした」は発言だから、発言内容が引用されてる
 4 「決心した」その内容を引用(発言内容じゃない)
 5 「誘った」際の発言内容が引用されてる

 選択肢4だけ発言じゃないのはポイントかも。確かに引用節は発言(言う等)だけじゃなく、思考(考える等)、命令(命じる等)などいろいろあるからなあ…
 ちょっと自信はないけど答えは4だと思っています。




2022年10月24日令和4年度, 日本語教育能力検定試験 解説