平成14年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(23)解説

(23)指示対象

 あまり自信はないです。

 選択肢1
 文脈指示 前方照応の例 「ありがとう。太郎はこう言った。」
      後方照応の例 「太郎はこう言った。ありがとう、と。」

 選択肢2
 「ありがとう。太郎はこのとおり言った。」とは言いにくいし、「太郎はこのとおり言った。ありがとう。」とも言いにくい。「このとおり」は何か決まっている文言を読み上げて「このとおり」と言っているんだと思います。例えば「台本には『ありがとう』と書かれている。太郎はこのとおり
言った。」のような。これは文脈の一部を指している「この」ではなく、現場にあるものを指している「この」ではないかと思います。

 選択肢3
 文脈指示 前方照応の例 「ありがとう。太郎はこのように言った。」
      後方照応の例 「太郎はこのように言った。ありがとう、と。」

 選択肢4
 文脈指示 前方照応の例 「ありがとう。太郎はこんなように言った。」
      後方照応の例 「太郎はこんなように言った。ありがとう、と。」

 選択肢5
 文脈指示 前方照応の例 「ありがとう。太郎はこんなふうに言った。」
      後方照応の例 「太郎はこんなふうに言った。ありがとう、と。」

 指示対象が現場にあるか文脈にあるか。選択肢2はどうも現場にある現場指示っぽい。
 答えは2です。




平成14年度, 日本語教育能力検定試験 解説