【質問】「もう1年になる」と「もう1年になった」の違いは何?

質問

質問者さん
(日本)

時間を表す語について時間の経過(完了)を表すときの「~になる」と「~になった」の違いを教えてください。

管理人

~になる」はそれまでの努力を強調して、努力の結果得られる達成感を表します。
~になった」は未来志向。過去を清算して、新しい出来事が起きることを予感させます。

 

「~になる」の意味

 (1) 就職してからもう1年になる
 (2) やっとお酒が飲める年になる
 (3) 彼女は中学3年になる現在も不登校です。

 「~になる」は何かの物事に区切りがついていなくて、これからもまだ続いていくような感じがします。例えば(1)は就職してから1年という時間が経過したことを表しますが、仕事をすること自体はこれからも続いていくような感じです。また、これまでの努力を思い返し、その努力によって物事が完了したという達成感が感じられます。

 

「~になった」の意味

 (4) 就職してからもう1年になった
 (5) やっとお酒が飲める年になった
 (6) 彼女は中学3年になった現在も不登校です。

 「~になった」はそれまでの努力の過程をひとまとまりにして一旦区切りとし、過去を過去として清算するようなときに使いやすいです。そして未来に起こる新しい出来事を予感させます。例えば(4)は1年前に就職してから現在までをひとまとまりにして区切り、2年目は何か新しい出来事がある予感を感じさせます。具体的には新しい仕事を任されるかもしれませんし、転職するかもしれませんし。

 

「~となる」「~となった」の意味

 (7) 就職してからもう1年(となる/となった)。
 (8) やっとお酒が飲める年(となる/となった)。
 (9) 彼女は中学3年(となる/となった)現在も不登校です。

 ちなみに「~となる」「~となった」を使うと書き言葉っぽくなります。事態を客観的に捉える感じが強くなって主観が入り込みにくくなるので、事態が完了したという結果しか表さなくなります。だから達成感とか、未来の予感とかは無くなってしまいます。

 




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