例示の用法「~ように」が生む複数の解釈ができる文
山田さんのように遅刻しないようにしなさい。
何気なく質問された文なんですが、学生いわくこの文から2つの状況が推測されるそうです。
一つは、山田さんが遅刻した可能性。
もう一つは、山田さんが遅刻していない可能性。
脳が刺激されるパズルのような日本語。
そして学生からの質問は「山田さんは遅刻しましたか?」というもの。
さて困ってしまいました…。
とりあえず家まで持ち帰ってちゃんと調べてみました。
結論から言いますと、2つの可能性が同時に存在しています。
可能性を消しきれてないのがこの文の面白いところです。
一つ目の「ように」は例示の用法。これは前に接続したものを参考とする意味を持ちます。
二つ目の「ように」は勧告の用法。遅刻しないことを求めています。
遅刻禁止の勧告には遅刻していない人を模範としてもいいし、遅刻した人を教訓としてもいい側面があり、これが2つの状況を生み出しています。
実際会話の場面では周囲の状況や文脈によって判断するため、このような混乱は起こり得ません。
山田さんが模範的人間なのか、それとも遅刻常習者だったのかはその場にいた人のみぞ知ることですね。
うーん、こういうの聞かれても即答できるようになりたいです…。
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