「店は夜10時で閉めます」の「で」はどういう意味?
疑問

質問者さん(中国)
私は「10時に閉めます」と言いたいです。
「に」と「で」の違いは何ですか。

管理人
ある時点だけを伝えたいなら「に」を使い、動作や作用の期限を伝えたいなら「で」を使います。営業時間の期限が10時だと言いたいときに「10時で閉める」と言えます。
「に」と「で」の意味
時間を表す名詞につくと「に」も「で」も時を表すことができますが、その中身は微妙に違います。
(1) 9時に出発します。
(2) 10日の午後に帰ります。
(3) 8月に旅行に行きます。
まず、「に」は時点。まさにその時点だけを指します。例えば(1)では「出発する」という動作を行うのが9時という意味。
(4) 仕事は5時半で終わります。
(5) 30分で片付けよう。
(6) 10時で閉店する。
「で」は時点というよりも、その動作や作用が行われる期限・期間に焦点が当てられます。例えば(4)は、就業時間の限度が「5時半」みたいな感じ。
「10時に閉める」と「10時で閉める」の違い
「に」は時点、「で」は期限ということが分かりました。これが分かると次の2つの違いも明らかにできます。
(7) お店は10時に閉める。 (閉店の時点)
(8) お店は10時で閉める。 (開店の期限)
(7)はその日の営業をやめて閉店の状態になるのが10時という、まさに閉店の時点に焦点を当てた言い方です。一方(8)は開店から閉店までの営業時間を背景にして、開店の期限が10時だというニュアンスを持つ言い方になります。こちらは閉店の時間ではなく、開店の期限に焦点を当てた言い方です。
時点だけを取り上げる場合は「に」、継続する動作や作用の上限を取り上げる場合は「で」が使いやすくなります。
(9) お店は10時に開ける。 (開店の時点)
(10)?お店は10時で開ける。 (閉店の期限)
(9)は開店の時点を表すもので普通に用いますが、(10)のような言い方は普通言いません。なぜならお店が何時から何時までやってないか(営業していない時間)は普通問題にならないので、閉店の期限に焦点を当てることに意味はないからです。
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