【質問】「彼はベッドで寝ている」と「彼はベッドに寝ている」の違いは?

質問

質問者さん
(中国)

「彼はベッド寝ている」と「彼はベッド寝ている」の違いは何ですか?

管理人

2つの違いは格助詞「で」と「に」だけ。だからこの2つの意味に注目します。
「で」は動作場所、「に」は存在場所を表すので… 「で」を使うとベッドが寝る場所になり、「に」を使うとベッドが寝ている彼の存在場所になります。
どっちを強調して言うかによって使い分けます。

詳細

 (1) 彼はベッド寝ている
 (2) 彼はベッド寝ている

 (1)の「で」は述語「寝ている」の動作場所を表します。「寝ている」は動作、その動作を行う場所が「ベッド」という意味。

 (2)の「に」は存在主体「彼」の存在場所を表します。つまり存在主体「彼」が存在している場所が「ベッド」。これはたぶん理解しにくいのでちゃんと説明します!

 (3) 机の上リンゴがあります。

 (3)の文の述語「あります」は存在動詞。存在動詞はその存在主体を「が」で表し、存在場所を「に」で表します。だから「~に~がある」みたいな構文を取ります。つまり「りんご」が存在している場所は「机の上」という意味。このように存在動詞は存在場所に「に」を使うと覚えておいてください。
 で、もう一度(2)を見てみましょう。

 (2) 彼はベッド寝ている

 
 この文には一見して存在動詞はなさそうに見えますが、「寝ている」が存在動詞と同じような働きをしています。「寝ている」って動作に見えますけど、「寝ている」ってことはそこにいるわけで… 実は存在動詞としても働くんです。つまり(2)は存在主体「彼」の存在場所は「ベッド」という意味になります。

 まとめると…
 「で」を使うと動作場所、「に」を使うと存在場所。
 動作を強調するのか、存在を強調するのかで使い分けるものです。

 参考:【品詞】第42課 格助詞「に」の用法
 参考:【品詞】第44課 格助詞「で」の用法




2022年8月18日みんなの質問アーカイブ, 日本語の使い分け