令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題16解説

問1 留学生30万人計画

 選択肢1
 1983年に当時の中曽根首相によって進められた留学生10万人計画の話をしています。10万人計画では、当時のフランスは10万人の留学生を受け入れていたので、日本もそのくらい受け入れ目指そうということから10万という数字になりました。
 また、国費留学生と私費留学生の割合も当時のフランスの状況を勘案して、1:9程度にすることを決めています。

 参考:当初の「留学生受入れ10万人計画」の概要

 選択肢2
 この記述が正しいです。
 1983年の留学生10万人計画に伴い、日本にある日本語学校を経由しないですむよう、直接日本の大学への渡日前入学を推進しました。そのために英語だけで学位が取得できるような大学を増やしました。

 参考:「留学生30万人計画」骨子 検証結果報告

 選択肢3
 日本語教員養成の教育内容、教育水準の向上のために、その教育内容の指針として「標準的な教育内容」が示されました。記述は正しいんですけど、留学生30万人計画とは直接関係しません。

 選択肢4
 1983年の留学生10万人計画に伴い、日本にある日本語学校を経由しないですむよう、直接日本の大学への渡日前入学を推進しました。そのために日本留学試験の海外実施が行われています。留学生30万人計画は2008年発表され、日本留学試験は2002年始まっています。30万人計画の後に日本留学試験ができたわけではありません。

 したがって答えは2です。
 (書いてて混乱してきました。何か間違ったこと書いてましたらコメントください)

 

問2 技人国

 1 最終学歴の成績によって決まるわけではありません! 私の学生も大学院を卒業して就職するときに技人国のビザを取りましたが、そのとき成績がどうであるかは関係ありませんでした。就労ビザと同じように卒業証明などの書類を提出するだけです。
 2 同じ技人国でも転職した場合は就労資格証明書の届け出が必要になります。ビザを取り直すわけじゃないです。
 3 「日本人と同等額以上の報酬額があること」が要件となっています。正しいです。
 4 原則日本語能力試験は必要ありませんけど、翻訳業務をするなら必要になります。

 したがって答えは3です。



問3 特定活動(46号)

 このビザの条件は以下。

 1.日本の4年制大学(院)を卒業している
 2.N1かBJT480点以上、または大学、大学院で日本語専攻していて卒業した人

 選択肢1
 日本語能力試験だったらN1です。N2じゃなくて。

 選択肢2
 その通りです。

 選択肢3
 そういうことはありません。 

 選択肢4
 このビザは日本の大学を卒業した日本語能力がとても高い人が、その知識を幅広い業務に使うことを認めるビザです。
 皿洗いなどはそれに含まれません。

 したがって答えは2です。

 参考:『特定活動(46号)』ってどんなビザ?『技術・人文知識・国際業務』との違いは何? – 就労ビザ申請サポート池袋

 

問4 ケース学習

 ケース学習とは、職場などの社会的な場面で日本人と外国人の間に生じるコミュニケーション上の問題や摩擦について、実際のケースを読み、協働で討論し解決策を導き出す活動です。

 1 ロールプレイ
 2 通訳の練習法かなんか?
 3 良い感じの意見書いてますけど、「優劣を第三者が判定する」っていうのからディベートだと分かります。
 4 これがケース学習

 したがって答えは4です。

 

問5 状況的学習論

 「学習は参加の過程」という考え方を状況的学習論(situated learning)といいます。
 状況的学習論は本年度の令和3年度 試験Ⅰ 問題6にも出ていますね。

 選択肢1の「参加」がキーワード。これが答え。
 答えは1です。

 




2022年9月23日令和3年度, 日本語教育能力検定試験