令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題10解説

令和3年度, 日本語教育能力検定試験 解説

問1 情意フィルター仮説

 情意フィルター仮説ってなんだってところから。

 クラッシェン (S.D.Krashen)によって提唱された第二言語習得理論にモニターモデルがあります。これは以下の5つの仮説から構成されます。その中に情意フィルター仮説が含まれます。

習得・学習仮説 言語を身につける過程には、幼児が母語を無意識に身につけるような「習得」と、学校等で意識的に学んだ結果の「学習」があるとし、学習によって得られた知識は習得に繋がらないとする仮説。このような学習と習得は別物であるという考え方をノン・インターフェイスポジションと呼ぶ。
自然習得順序仮説
自然順序仮説
目標言語の文法規則はある一定の決まった順序で習得されるとする仮説。その自然な順序は教える順序とは関係ないとされている。
モニター仮説 「学習」した知識は、発話をする際にチェック・修正するモニターとして働くとされる仮説。学習者が言語の規則に焦点を当てているときに起きる。
インプット仮説 言語習得は理解可能なインプット「i+1」を通して進むとする仮説。ここでいう「i」とは学習者の現時点での言語能力のことで、「+1」がその現在のレベルから少し高いレベルのことを指している。未習のものであっても、文脈から推測できたりする範囲のインプットを与えると、言語構造な自然に習得されるとする。
情意フィルター仮説 学習者の言語に対する自信、不安、態度などの情意面での要因がフィルターを作り、接触するインプットの量と吸収するインプットの量を左右するという仮説。

 1 情意フィルター仮説
 2 インプット仮説
 3 たぶんインターアクション仮説の記述
 4 統合的動機づけを高める考え方って何。

 したがって答えは1です。

 

問2 第二言語不安

 第二言語不安って言葉を勉強した人なら大体みんなあったはず。
 自分の言った言葉は正しい表現なのか、正しい発音なのか、ちゃんと相手に伝わるのかなどいろんな心配をして、第二言語を使うことに不安を感じることです。不安が高まると外国語と触れる機会を減らします。不安はないほうが習得に有利です。

 1 試験の成績に対する不安で、第二言語を話すのがためらわれるわけない。それはまた別の不安。
 2 これが原因で第二言語を使うことが不安になる可能性はあります。
 3 あの人は発音が下手だとか思われることに対する不安などで第二言語を使うことが不安になる可能性はあります。
 4 本当に言いたいことが伝わるのか、話が聞き取れるのかなどの対する不安で第二言語を使うことが不安になる可能性はあります。

 したがって答えは1です。

 

問3 コミュニティ・ランゲージ・ラーニング

 CLLとも呼ばれる教授法の一つです。
 開発者のカランがカウンセリング理論を応用して開発しました。カウンセラーとクライアントの関係を授業に持ち込み、クライアントとなる学習者に対して、不安やストレスをできるだけ取り除こうとします。

 まずは学習者を丸く座らせて、あるテーマについてみんなで話をさせます。何か分からない言葉などあったら、教師は媒介語を使って言葉を教えます。学習言語ばかり使わせると不安を感じるかもしれませんから、教師は媒介語OKという立場を取って不安を軽減させるために思いっきり助けます。

 1 「音楽や絵画」でサジェストペディアだと分かります。
 2 「特別な教具」でサイレント・ウェイだと分かります。
 3 これがコミュニティ・ランゲージ・ラーニングの記述。
 4 これなんだろう。ナチュラル・アプローチかな? インプット重視なので。

 したがって答えは3です。

 

問4 ジャーナル・アプローチ

 ジャーナル・アプローチ(journal approach)とは、学習者の学習や異文化について思っていることや問題点を自由に書くことで、本人にその原因などを気付かせる異文化理解、カウンセリング手法です。学習者が書いたものをジャーナルと呼び、それらを教師や援助者と共有することでフィードバックを与え、お互いの相互理解を深めることに用います。

 1 学習項目で日記を書かせるのは作文かなんかの延長
 2 授業の感想を書かせるのは全く別物
 3 これがジャーナル・アプローチ。「異文化」「気づき」などがヒント。
 4 内容的には良さそうだけど、「異文化」っていうキーワードがない。

 したがって答えは3です。

 

問5 不安を軽減する

 第二言語不安を軽減させるにはどうすれば?

 選択肢1
 既習項目を扱うってのが良い。未習項目が入っていると分からない可能性があるので不安にさせるかも。

 選択肢2
 達成できそうだったら頑張れるし、達成感を与えられれば不安を軽減できるかも。

 選択肢3
 競争を煽るのは良くない。不安の軽減には逆効果です。

 選択肢4
 目標がはっきりわかって、どうやればいいかも教えてあげれば不安も軽減できますね。

 したがって答えは3です。

 





令和3年度, 日本語教育能力検定試験 解説