令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題4解説

令和3年度, 日本語教育能力検定試験 解説

問1 慣用的な意味

 選択肢1
 「気が短い」はすぐ怒ったりイライラしたりすることで、慣用句です。
 「気が長い」もあんまり焦らない様子を表す慣用句です。

 選択肢2
 「手を切る」は怪我で手を切る使い方もありますけど、縁を断つという意味もあります。これが慣用句。
 「手を焼く」は処理の困ることを表す慣用句です。

 選択肢3
 「襟を正す」は服装、姿勢を正すことを表す慣用句。
 「襟を繕う」に慣用的な意味はありません。字義通り、襟を縫って補修するという意味です。
 これが答え。

 選択肢4
 「腕が鳴る」は自分の技術を見せつけたくてうずうずしている様子を表す慣用句。
 「腕が立つ」は優れた技術、技能を持っていることを表す慣用句。

 答えは3です。

 

問2 「どうやら」

 「よさそう」「大丈夫そうで安心した」みたいに、話者が見たり聞いたりしたものから推測される主観的な判断を表す「~そうだ」が様態です。
 「どうやら失敗したようだ」「彼は風邪を引いたようだ」みたいに、話し手の物事に対する主観的な推測を表すのが推測、推量、推定です。

 「どうやら」は推定の「ようだ」と呼応しやすいので、答えは2です。

 参考:【N4文法】~そうだ
 参考:【N4文法】~ようだ/ように/ような

 

問3 共起する動詞のタイプ

 選択肢1
 意志動詞「食べる」で「食べよう」と言えば勧誘になります。
 勧誘する動作は意志的でなければいけませんので、「降ろう」のように無意志動詞には接続できません。
 この選択肢が答え。

 選択肢2
 他動詞「あける(開ける)」と自動詞「あく(開く)」で考えてみます。既に開放された窓を見てどんな言い方があるでしょうか。
 自動詞を使って「窓があいてある」という言い方は存在しませんが、「窓があいている」はあります。「窓があいている」は窓の開いている状態を見て、それを言葉にしただけです。
 他動詞を使って「窓があけてある」と言えば、以前誰かが窓を開けて、その結果の状態が残っていることを表します。これが結果の残存です。
 「~てある」が結果の残存を表すのは他動詞と共起したときです。

 選択肢3
 迷惑の受身のことでしょうか。
 「母親が鍵をかけた」というと迷惑の意味はないのに、「母親に鍵をかけられた」と言うと迷惑の意味が出てきます。これが迷惑の受身と呼ばれるものですが、述語には他動詞「かける」が使われています。もちろん「雨に降られた」みたいに自動詞「降る」を使っても迷惑の意味が表れます。他動詞でも自動詞でもいいです。

 選択肢4
 他動詞で「失敗してしまった」といえば後悔の意味が表れます。
 自動詞で「当日に雨が降ってしまった」といえば残念の意味が表れます。

 したがって答えは1です。

 

問4 使役

 使役の「~させる」に接続して検証してみます。

 選択肢1
 「カレーを一晩熟成させてあります」は、経験じゃないですね。放置みたいな。

 選択肢2
 「怪我させてしまった」は、強制じゃなくて責任の一端を感じていることを表します。

 選択肢3
 「掃除させられた」は強制、「怪我させられた」は被害かな。

 選択肢4
 「休ませてやるよ」って言えば許可・許容です。
 「後悔させてやるよ」って言い方もありますね。こちらは許可・許容というよりは… なんでしょう?
 一応許可・許容の使い方はあります。

 答えは4です。

 

問5 多義語の意味の違い

 選択肢1
 「飴をなめる」はまあ普通のなめるの意味ですね。
 でも「人をなめる」だったら実際舌でなめてるわけではなくて、下に見てるという別の意味になります。
 正しい選択肢。

 選択肢2
 「子どもを褒める」も「態度を褒める」も同じ「褒める」の意味です。

 選択肢3
 「明るい部屋」だったら部屋の明るさ、「性格が明るい」だったら快活で陽気という意味の別の意味。
 正しい選択肢です。

 選択肢4
 「荷物が重い」は物理的な重量、「責任が重い」はストレス的なもの。別の意味です。

 したがって答えは2です。

 





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