令和3年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(6)解説

令和3年度, 日本語教育能力検定試験 解説

(6)名詞の場所性

 名詞が場所性を持っているかどうか判断するには、場所に関する構文に名詞を入れ込んでみるといいです。例えば以下のようなものです。それで不自然にならなければ場所性が高い名詞と言えます。

 【場所】へ行く
 Aはどこですか? → Aは【場所】にあります/います
 ここは【場所】です
 【場所】で~する

 選択肢1
 ✕信号へ行く
 ✕車はどこですか? → 信号にあります。
 ✕ここは信号です
 ✕信号で待つ (”「信号」という場所で待つ”という解釈もできなくはないですが、「赤信号で待つ」だったら赤信号が原因で待つわけなので、この「で」は場所ではなく原因と理解すべきです。だから一応✕)

 「信号」というと赤青黄色を表示するあの機械を指すので、場所性よりも物性が高い感じ。「信号のところにあります」「信号のところで待つ」という風に「ところ」を入れなければ不自然です。

 選択肢2
 ✕電信柱へ行く
 ✕車はどこですか? → 電信柱にあります。
 ✕ここは電信柱です。
 ✕電信柱で待つ

 「電信柱」も物性が高いので、「電信柱のところにあります」「電信柱のところで待つ」と言った方がよさそう。

 選択肢3
 ✕ガードレールへ行く
 ✕車はどこですか? → ガードレールにあります。
 ✕ここはガードレールです。
 ✕ガードレールで待つ

 「ガードレール」も物性が高い名詞です。

 選択肢4
 〇バス停へ行く
 〇車はどこですか? → バス停にあります。
 〇ここはバス停です。
 〇バス停で待つ

 全ての場所に関する構文に入りました。場所性が高いので「バス停のところにあります」「バス停のところで待つ」と言わなくても自然です。

 選択肢5
 ✕道路標識へ行く
 ✕車はどこですか? → 道路標識にあります。
 ✕ここは道路標識です。
 ✕道路標識で待つ

 したがって答えは4です。

 他にも「~にぶつかる」という言い方で試すやり方もあります。
 1 〇信号にぶつかる
 2 〇電信柱にぶつかる
 3 〇ガードレールにぶつかる
 4 ✕バス停にぶつかる
 5 〇道路標識にぶつかる

 「ぶつかる」はその動作対象をニ格でとります。「信号」「電信柱」「ガードレール」「道路標識」は場所性より物性が高いのでぶつかる対象としてとれますが、バス停はとれません。「【場所】にぶつかる」よりも「【物】にぶつかる」ほうが自然ですよね。

 





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