もっと学生の造語が聞きたい!

日本語教師のお仕事

 この間の2年生会話の最初の掴み、石原さとみさんと山下智久さんが熱愛(?)報道されたことを話しました。学生のほとんどは日本のドラマを見ますので、先学期頃放送されていた「5→9 ~私に恋したお坊さん~」も当然見てます。
 「私はすごく残念」
 そう話を切り出すと、学生達はなんで?と言った具合の顔。すぐに
 「だって、私のチャンスが無くなったから」
 と言ったら教室中どっかーんでした。
 授業の掴みとしては完璧。毎回こうならもっとスムーズに進められそうなんだけどね。

 そんな話をしたからか、授業の合間の休憩時間、とある学生が私に聞いてきました。

 「先生、石原さとみのような人が好き?」
 「そうだよ、可愛いより美人が好きだなー」
 「じゃあ、嘘かわいい人は好き?」

 ”嘘可愛い”

 こういう造語を言い出すのはボキャブラリーがある程度充実してきた証拠であり、かつ日本語の柔軟性に気付いている状態だからできる芸当です。しかしある一定の水準を超えるとより自然な日本語を話したくなりますから、上達すればするほど新しい言葉を作ったりしなくなります。2年生のこのタイミングだからこそアウトプットできる、これは彼女だけの中間言語ですね。

 どういう意味なんでしょう。
 聞いた後3秒くらいじっと考えました。

 彼女が言いたいことは「ぶりっこ」、中国語で「装可爱」。
 「装」は「ふりをする」といった意味がありますから、直訳して「嘘可愛い」と言ったのでしょう。どう言うか分からないときは別の言葉で代用して表現する。これが出来るようになってくると会話が楽しくなってきます。

 そして私は、なんだかこの造語の美しさに感心してしまいました。日本人は絶対に言わないし作ることもできません。我々ネイティブの知らないところに、まだまだ日本語の潜在的なポテンシャルが眠っているんですね。





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