自称代名詞を対称代名詞として用いる特異な例

2021年4月8日日本語TIPS, 日本語の色んなお話

 「私」「俺」「僕」など自分を指し示すものを自称代名詞、「あなた」「君」「お前」など話し相手を指し示すものを対称代名詞、「彼」「彼女」「あいつ」など第三者を指し示すものを他称代名詞と言います。それぞれ一人称、二人称、三人称という言い方もありますね。そしてこれらすべてまとめて人称代名詞と呼んでいます。

 この中には、ちょっとおかしな使い方をする人称代名詞があります。
 もしかしたら試験で出るかも…?
 

「僕」は自称にも対称にも使える!

「ねえ、!」

 知らない男の子に「ねえ、僕!」と話しかけるときの「僕」。本来自称代名詞のはずですが、ここでは目の前にいる男の子を指し示す対称代名詞として用いています。

 相手を小馬鹿にしながら言う「ボクちゃんにはまだ早いのよ」なども自称と思いきや対称。特別な例です。
 「~ちゃん」は主に女の子や小さい子どもに対して使う接尾辞ですが、ここではわざと子どもではない人に対して「ボクちゃん」と言うことで皮肉になっています。だから馬鹿にするようなニュアンスが生まれているんですね。
 

自称代名詞が他称代名詞に変わる他の例

 「自分の頭で考えろ」
 「てめえの頭で考えろ」
 「何するんじゃ、ワレ!」

 「てめえ/手前」や「ワレ」は話し手自身を指すこともできますが、今ではぞんざいな言い方の二人称として用いられることが多いと思います。

 こういうところに日本語の面白さがありますね!





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