「~に学ぶ」の「に」はどういう意味?
「~に学ぶ」の「に」の意味
「~に学ぶ」のような言い方がありますけど、この「に」って結構不思議に見えます。
(1) 偉人に学ぶ生き方
(2) 高校野球に学ぶチームの団結力
(3) オリンピック選手に学ぶモチベーションの保ち方
(4) 戦国武将に学ぶリーダーとしての心得
(5) 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
(6) 東日本大震災に学ぶ、想定外への対処法
(7) 被害事例に学ぶ最近の詐欺手口
(8) ホステスに学ぶ会話を弾ませるコツ
(9) 失敗に学ぶ
この「に」は「から」に言い換えることができるのが特徴です。
例えば「偉人から学ぶ」と言ったときの「から」は動作の出どころを表す用法で、同じ使い方をしたものに「彼から本を貸してもらった」などがあります。だから「~に学ぶ」の「に」も動作の出どころを表すと考えて良さそう。
「~を学ぶ」と「~に学ぶ」が取れる語
「学ぶ」は他動詞、だから学ぶ対象に普通ヲ格を取ります。学ぶ対象は技能、技術、知識などです。
(10) コツを学ぶ
(11) 英語を学ぶ
(12) やり方を学ぶ
「~に学ぶ」はニ格なのでヲ格と同じような学ぶ対象を表せません。普通は人、過去、歴史、事例、経験などの語を取りやすいです。次のように技能、技術、知識などの語をとると変になっちゃいます。
(13)✕コツに学ぶ
(14)✕英語に学ぶ
(15)✕プログラミングに学ぶ
(16)✕やり方に学ぶ
「歴史を学ぶ」と「歴史に学ぶ」の違い
(17) 歴史を学ぶ
(18) 歴史に学ぶ
ヲ格だと「歴史」は勉強の対象、教科の一つ。
でもニ格だと勉強よりももっとレベルの高い学びな感じがします!
を学ぶ | に学ぶ |
---|---|
勉強… | 研究、考察、吸収… |
能動的な場合も受動的な場合もある | より能動的 |
技能や知識 | 人、歴史、経験など |
参考:格助詞の用法一覧
ディスカッション
コメント一覧
新冠肆虐,注意安全!
普通に「に」を対象と考えて、対象を任意的に人、物、事件などと想像してしまえば、成立しやすいと思います。
勉強になりましてありがとうございます。