令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題2(4)解説

(4)面白いだ

 「~だ」は「静かだ」や「学生だ」みたいに名詞やナ形容詞につく言い方ですが、これをイ形容詞の「面白い」に適用して「面白いだ」となっています。イ形「面白い」をナ形や名詞だと勘違いしてるみたいです。
 (イ形→ナ形or名詞)

 選択肢1
 「の」は「学生の成績」みたいに名詞と名詞をつなぐ「の」です。それをナ形語幹「豊か」に適用しているので、「豊か」を名詞だと勘違いしてます。
 (ナ形→名詞)

 選択肢2
 「~し」は「美しいし」みたいにイ形容詞につくものです。それをナ形「丈夫」に適用しているので、「丈夫」をイ形だと勘違いしてます。
 (ナ形→イ形)

 選択肢3
 この学習者は「近くの」と「近い」を使い分けできないみたい。
 普通イ形容詞は「重い荷物」「古い記憶」と直接名詞を修飾できるんですが、「近い」「遠い」「多い」はちょっと特別。名詞を修飾するときは「遠くの親戚より近くの他人」みたいに「~くの」の形になりやすいです。これは転成名詞というもので、形容詞の連用形が名詞になったものです。(もちろん「近いところ」「遠い星」みたいな言い方もできます)

 選択肢4
 「違うのは」というところを「違いのは」と言っていて、動詞「違う」と名詞「違い」混同してます。
 (名詞→動詞)

 選択肢1、2、4は品詞を勘違いしているという点で誤り方が共通しています。
 したがって答えは3です。

 




2022年9月1日令和2年度, 日本語教育能力検定試験