ピアノが飛躍的に上達する練習方法

日本語教師のお仕事

 私の学生には「中二」と呼ばれている人がいます。日本のアニメや漫画が好きなことが関係してこのようなあだ名になりました。彼は高校2年生で音楽を専門にしています。日本にピアノで留学するべく日本語を学んでいるわけですが、高校2年生にも関わらず、私が知っている学習者の中で最も日本語の能力が高い異質な存在。また家庭は超裕福で、この年にして小説を書いて収入を得るなど芸術・言語方面に極めて長けており、天才ではないかと思っています。

 先日ですが彼が私に言いました。
 「ピアノが飛躍的に上達する練習方法は何でしょう。」
 正直分からないので素直に続きを促すと、彼の口から面白い答えが返ってきました。それは…
 「原曲の1/10くらいのテンポで練習すること」

 遅いのは簡単なんじゃないの?って思ったんですが、その理由について詳しく教えてくれました。
 「曲が弾ける」というのは練習すれば数日で可能だけど、専門的な意味における「弾ける」とは大体2か月くらいを必要とし、とりわけ感情を表現するのが難しい。早く弾くと失敗は目立たないが、あえてゆっくり弾くことでどこを修正するべきなのかを洗い出す。この過程で練習に長い時間を費やすようです。
 例えば通常のスピードの1/10で走ろうと思えば足運びが難しいように、ピアノでも同じことが言えるとのこと。ゆっくり弾いているのにも関わらず特に疲れると言っていました。これは言語にも通じます。速く言うためにはゆっくり確実に言えることが大前提。この段階になると中級以上でしょうから、そういう時こそ基礎が大切になるわけですね。

 彼との雑談から考えさせられることがたくさんあります。本当に不思議な人です。





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