「よける」と「さける」の違い

避ける(よける) 避ける(さける)
物理的接触の回避 抽象的な物事の回避
身体動作を伴う 身体動作は伴わない
あるいはそこまで感じられない
瞬間的な回避 意識的な回避

 

「避ける(よける)」は物理的接触の回避

 対象との物理的な接触を回避するときに使えます。回避には身体動作を伴い、瞬間的、反射的に行われます。

 (1) 飛んできたボールをよけた
 (2) 彼の右ストレートはよけられない
 (3) 車が突然突っ込んできてよけられなかった
 (4) 障害物を綺麗によけてゴールを目指す。
 (5) 飛び出してきた子供をよけたら、自転車から転倒した。
 (6) 空間認識能力が衰えたのか、すれ違う人によくぶつかってよけられない

 ※虫よけ、猫よけ、日よけ等は漢字の「除ける」を用います。これらは身体動作とは関係なさそうです。

 

「避ける(さける)」は抽象的な物事の回避

 抽象的な物事を回避するときに使えます。抽象的な物事は物理的に接触しないので、回避する際は身体動作を伴いません。その代わり意識的に回避行動がとられます

 (7) 彼は明言を避けた
 (8) 社会的混乱を避ける
 (9) 避けられるリスクは避けるべき。
 (10) 密集、密接、密閉の「3密」を避ける
 (11) 不要な外出は避けるべき。
 (12) 脂肪分の多い食事を避ける
 (13) 雨風が強いときは、できるだけ運転を避けるのが一番いい。
 (14) 日本語では断定を避けた表現がよく用いられる。
 (15) ギャンブル好きは恋人選びで避けておきたいタイプだ。
 (16) 首都直下地震は避けられない

 

どちらも使える場合のニュアンスの違い

 目に見えないものは抽象的な物事ですので「さける」を用いやすいですが、目に見えるものはどちらも使えることがあります。
 両方使える場合はそのニュアンスが全く違うものになります。

 (17) 雨をよける
 (18) 雨をさける

 「雨をよける」からは、まるで雨の中を高速移動して雨粒を全てかわすような様子が想像できます。まさにアニメですね…
 「よける」は身体動作を伴う回避なので動作そのものにフォーカスが当てられやすく、このような解釈になりやすいです。
 
 「雨をさける」は一時的に雨宿りしたり、雨が当たりにくい場所を選んで歩いたりしている様子が想像できます。
 「さける」は動作そのものではなく、意識的な部分にフォーカスが当てられます。

 





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