【N4文法】~のです/んです
説明
接続
名詞+なのです/なんです
ナ形語幹+なのです/なんです
イ形普通形+のです/んです
動詞普通形+のです/んです
意味
(因为)是…
…是…的
…呀
解説
2つの用法があります。
①説明、解説、言い訳、弁明
原因や理由など、事情を説明、解説するときに用います。
疑問形「~のですか/んですか」の形で、相手に対して説明を求める表現になります。
②主張
相手を説得するような話し手の強い主張を表します。
主張を強めて説得する場面で使いやすいので、良くないニュアンスになることもあります。
例えば、例文(7)では、「明日行くこと何回も言ったでしょ。もう忘れた?」とかそういうニュアンスがつくこともあります。
例文(8)はもっと喧嘩腰です。「あなたは理解する力がない」と言ってます。
「のです」は書き言葉的で、「んです」は話し言葉です。
例文
(1) 満員電車は嫌いですが、会社に行くためには毎日乗らないといけないのです。
(虽然讨厌满员的电车,但是为了去公司每天都要坐。)
(2) 最初はみんな不安なんです。
(一开始大家都很不安。)
(3) 「明日誕生日なんですね!」「そうなんです。今年で24歳になるんです。」
(“明天是你的生日呢!”“是的。今年就24岁了。”)
(4) すいません。渋滞してたんで遅刻してしまいました。
(对不起。因为堵车所以迟到了。)
(5) この絵が大好きなんです。
(我最喜欢这幅画。)
(6) この歌の歌詞はすごく素敵なんです。
(这首歌的歌词非常棒。)
(7) 「いつ行くんですか?」「明日行くんです。」
(“什么时候去?”“我明天去。”)
(8) あなたは全く分かっていないんですね。
(你什么也不懂啊。)
備考
特になし
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ディスカッション
コメント一覧
異文化論で、日本語の特異性として7つあると書かれていました。
①コピュラ ②自動詞の受身 ③「~んです」表現 ④授受表現 ⑤自動詞と他動詞の別 ⑥敬語
⑦感情表現
です。
感情表現だけがどう理解していいのかわかりません。モダリティーがあるってことではないんですよね?
こういう場合の感情表現ってどういうことかご意見をお聞かせください。
>小林さん
コメントありがとうございます。
申し訳ありませんが、存じ上げません。日本語の特異性は7つあるという話自体初めて聞きましたが…
どちらの本に書かれている内容でしょうか。本に書かれているのであればその中に説明があるはずです。
その方がただ7つ挙げただけで、共通認識ではないと思います。
「動詞普通形+のです/んです」と書いてありますが,「満員電車は嫌いですが、会社に行くためには毎日乗らないといけないのです。」の中の「いけない」は動詞普通形ではないのに,なぜ「のです」を使うのでしょうか
>キキさん
動詞普通形は、述語になれる動詞の活用形全部のことです! 分かりにくくてすみません。
いく、いかない、いけない、いきます、いった等々、述語になれるものが動詞普通形と呼びます。
だから「いけないんです」という言い方は正しいです。
いつも参考にさせていただいています。
①い形容詞、動詞→ +んです
②名詞、な形容詞→ +なんです
というのはわかるのですが、例えば下の文章で、
「でも、これ、明日までなんです」
の場合は「まで」の品詞は助詞かと思うので、
②名詞、な形容詞、助詞→ +なんです
ということでしょうか。
「助詞+なんです」という接続については、
文法書やネット上にも見つけられなくて、
学習者にどう説明したらよいか困っています。
ご意見をお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
>りすさん
A:あなたに疑いがかけられています。
B:私にですか?
Bの文は格助詞「に」で終わって「です」につながっています。「です」の前は述語になり得る名詞、ナ形容詞、イ形容詞、動詞が来るはずなんです。でもその肝心の述語がありません。この文はもともと「私に疑いがかけられていますか?」という文だったと思われますが、ガ格成分や述語がまるまる省略されて「ですか」に置き換わっています。「です」は省略した部分の代わりになれるようですね。実は「明日までなんです」もこれと同じ構造で、「明日まで」の後に述語が省略されていたはず…。
A:いつまで食べられますか?
B:明日まで食べられるんです。
述語「食べられる」が省略されて「明日までなんです」という言い方になっています。そうして省略されているものを補完してみると正しく接続が説明できます。「食べられる」は動詞ですから「動詞+んです」だったんだよーと。これならどうでしょう?
前後の文章を書かずにわかりにくかったと思いますのに、
ご丁寧に説明してくださって、ありがとうございます。
なるほど!省略されていると説明したら明快に理解できます!
本当にありがとうございました。
これからも参考にさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
たびたび恐れ入ります。
もう一つ疑問が出てきました。
もとの文章は、
A:もう寝たほうがいいですよ。
B:でも、これ、明日までなんです。
です。Bの省略されていない文は、
①でも、これ、明日までに提出なんです。
が考えられます。
これだと、「提出」が名詞なので、
名詞+なんです
と、ぴったり当てはまります。
ただ、「までに」の「に」も省略されてしまっています。
「までに」はどういうときこのように「まで」になってしまうのでしょうか。
自分で例文を考えたりもしますが、答えが見つからず悶々としています。
もしご存じでしたらお時間のある時でけっこうですので、
教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
>りすさん
「まで」や「に」や「までに」や… 動作動詞とか瞬間動詞とかいろいろ考えたんですけれども、分かりませんでした。
分析しようと思って次の文が自然と感じるかどうかの判断テストをしてみたんですが、人によって答えが違ってかえって取っつきにくくなってしまいまして。
【例1】
A:いつまでに提出できますか?
①:明日までです。
②:*明日までにです。
【例2】
A:いつまでに連絡しなければいけませんか?
③:明日までです。
④:明日までにです。
私は【例1】の②は変だと思います。【例2】はどちらも大丈夫だと思います。(そうと思わない人もいましたが…)
たぶんですが、終点としての意味合いが強い場合は「まで」が使われやすく、動作が行われる一時点を捉える場合は「までに」が使いやすいのではないかと思います。【例1】は時間的な終点の「まで」、【例2】は「連絡する」という動作の最終期限の「までに」です。どっちを強調するか、相手は何を聞いているのかなどによって使い分けていると思いました。これは格助詞「まで」「に」の元々の意味がそうであるからです。実のところあまり自信はありません。
詳しく調べようと思いましたらたくさんの例文とその文法性をたくさんの母語話者に判断させた結果が必要なので… 正確にはこのコメント欄でお答えできそうにありません。すみません。
とすると先生としては、そもそも「明日までです」のような省略された文を授業で扱わないようにしたり、「までに」が「まで」になるような例文を扱わないようにしたり… という作戦が考えられそうですね。
高橋様
たくさんの時間を割いて検討してくださりありがとうございました。
高橋さんが例文を挙げてくださったおかげで、わたしも次のように考えてみました。
例1:いつまでに提出できますか?
に対して、「明日までに提出します。」のように、続く動詞を省略しない場合は、「までに」が自然で、
「明日までです。」のように、動詞を省略する場合は、「までに」も省略され、「まで」の方が自然になるのかもしれないと考えました。
例2:いつまでに連絡したらいいですか?(より自然な文章に変えてみました)も同じで、
「明日までにお願いします」のように、続く動詞を省略しない場合は「までに」、
「明日までです。」のように、動詞を省略する場合は、「まで」の方が自然なのではないかと考えました。
でも、「までに」を強調する場合は「までにです」ということもあるとも思いました。
わたしも引き続きこの問題を考えていきたいと思います。