「なんだか」と「なんとなく」の違い
「なんだか」と「なんとなく」の違い
「なんだか」は自分でも理由が分からない感覚を表す
何だか(なんだか) - Weblio辞書
①原因・理由などがよくわからないさま。
「なんだか」の後件には無意志性の感覚的な内容が述べられ、そう感じた理由や原因は話者でも分かりません。「~ような気がする」「~感じがする」などに近い表現と言えます。
「(何が)なんだか分からない」「何がなんだかさっぱり」等は慣用表現として用いられます。
また、例文(6)のように、「なんだか」の後件は省略されることもあります。
(1) なんだか寂しい。
(2) なんだか気分が上がらない。
(3) 花を置いたら部屋がなんだか華やかになった。
(4) それはなんだか素敵な話ですね。
(5) 何がなんだかわからない。
(6) 悲しくてなんだか…
(7) その言葉を聞いてなんだか嬉しくなりました。
「なんとなく」は意味が2つ
何となく(なんとなく) - Weblio辞書
①はっきりした理由や目的もないさま。
②取り立てて言う事柄がないさま。
「なんとなく」は2つの意味がああります。
一つは「自分でも理由・原因が分からない状態」を表します。この点は「なんだか」と同じですが、後件は意志性の感覚的な内容が述べられます。
(8) 説明を聞いてなんとなく理解できた。
(9) 好きな人に恋人がいることはなんとなく気づいてた。
(10) こうなることはなんとなく分かっていた。
(11) この漫画にはなんとなく興味はあったんですが、結局読まずじまい。
(12) 音はなんとなく覚えていても、長い時間弾かないと忘れてしまう。
もう一つの意味は「明確な目的が無い状態で~する」です。後件には意志的な動作がきます。
(13) なんとなく散歩するだけでも気分転換になる。
(14) なんとなく空を眺めていた。
(15) 夜なんとなく思い立ち、なんとなく車を走らせた。
(16) なんとなく買った宝くじが当たった。
(17) なんとなく手に取った抹茶アイスが美味しかった。
無意志的な「なんだか」と意志的な「なんとなく」
「なんだか」も「なんとなく」も感情表現が後接する場合、いずれも「自分でも理由・原因が分からない状態」を表します。ただし、「なんだか」の後件は無意志的な感情表現、「なんとなく」の後件には意志的な感情表現が来る点で異なります。
(18) 泣いたらなんだかすっきりした。
(19) 泣いたらなんとなくすっきりした。
後件が意志的な動作を表す場合、「なんだか」は使えません。「覚える」「空を眺める」は意志的な動作なので、「なんとなく」を用いるべきです。
(20)✕音はなんだか覚えていても、長い時間弾かないと忘れてしまう。
(21) 音はなんとなく覚えていても、長い時間弾かないと忘れてしまう。
(22)?なんだか空を眺める。
(23) なんとなく空を眺める。
そして、「なんとなく」は後件に意志動詞を置くこともできます。この場合、意味は「明確な目的が無い状態で~する」となります。
まとめ
なんだか | なんとなく |
---|---|
自分でも理由・原因が分からない状態(後件は無意志的) | 自分でも理由・原因が分からない状態(後件は意志的) |
— | 明確な目的が無い状態で~する(後件は意志動詞) |