曲紹介で使われる不思議な「で」の正体
ここで一曲お送りします。
安全地帯で「ワインレッドの心」。
音楽番組とかラジオなどでよく聞く一言。「グループ名+で+曲名」の形をとるようです。
今日これを聞いて「この間にある助詞”で”は何だ?」って思いました。今までも何千回と聞いてきたはずなんですがね。
「安全地帯のワインレッドの心」と言い換えられるので、「の」の代用としての「で」を大発見してしまった! と運転中に浮れてました。
しかし家に帰って調べてみてもそういう内容は出て来ず。そういうときは大体自分が間違っていますね。
答えが分からないので一旦母親に聞いてみた(日本語教師失格)のですが、そこで思わぬ大ヒントをもらいます。
「安全地帯というグループが歌っているワインレッドの心」っていう意味でしょ?
つまりこの「で」は「~というグループが歌っている」を省略したものなんじゃないかというのが母親の推測でした。
「歌っている」という動詞が省略されているとすれば、もしかしたらこの「で」は動作主を表しているのかもしれない!
そこですぐに閃きました。
「安全地帯によるワインレッドの心」とも言えるじゃん。
文法「~による」には「校長先生による特別講義が行われた。」などのように動作主を表す用法もあります。つまりこの「で」も動作主を表しているということですね! 「荷物は自分で持て」の「で」と同じということです。
ただ、「グループ名+で+曲名」と使い方は限定的ですし、学習者になんで「の」じゃないの?と言われてもおかしくない特殊な形をしてます。
もし学生に突っ込まれたら、①動作主を表す、②曲紹介だけに使う。この2点に注意する必要がありますね。