令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題1(3)解説
(3)拍数の変化
モーラ(拍)とは、音韻論上、一定の時間的長さをもった音の分節単位のことです。日本語では仮名1文字で1拍、拗音は2文字で1拍を形成します。例えば、「にほんごきょういく」は8拍。
拍とフットは切り離せない密接な関係があります。曜日を単独で読み上げるときは「げつ」「か」「すい」「もく」「きん」「ど」「にち」と、火と土は1拍、それ以外は2拍になります。しかし全体を通して読み上げると「げつかーすいもくきんどー」と、元々1拍であったはずの火と土が長音によって2拍に引き伸ばされます。
日本語はポケモン、パソコン、東大のように、2拍+2拍のようにリズムを刻む傾向があり、この2拍を1フットとします。火と土が2拍に引き伸ばされたのは、別の曜日の拍数に合わせ、全体のフットを整えて規則的なリズムを刻むためです。フットについては「日本語のフットについて」で詳しくまとめていますので、参考にしてください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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本来の読み | げつ | か | すい | もく | きん | ど | にち |
全体としての読み | げつ | かー | すい | もく | きん | どー | にち |
1 「月火水」の「火」は1拍から2拍に引き伸ばされています。
2 「月水金」の「月」は2拍のままです。
3 「火水木」の「水」は2拍のままです。
4 「火木土」の「木」は2拍のままです。
5 「金土日」の「金」は2拍のままです。
選択肢1だけが全体のリズムを整えるために、「火」が「かー」となっています。
したがって答えは1です。