概念の隣接性に基づく換喩、じゃあ「テレビを見る」は?

 昨日の作文の授業では、換喩(メトニミー)を教えました。
 まず簡単に換喩について説明しますと… 「隣の部屋がうるさい」における「隣の部屋」はただの部屋であり、実際に何か音を発したりするものではありません。しかしここでは「隣の部屋」と言って、その部屋の住人を指し示すことで意味が通るようになっています。これは入れ物で中身を表す換喩の用法の一つになります。

 換喩については「比喩的拡張に関するまとめ(隠喩/換喩/提喩)」にまとめてあります。

 授業の終わり、ある学生が私のもとに来てこんな質問をしました。

先生、「テレビを見る」は換喩ではないですか?

 ぞっとしました。確かに実際は「テレビの番組を見る」ことを指しますが、ここでは「番組」が省略されています。
 テレビという入れ物で、番組という中身を指していると考えると、これは「隣の部屋がうるさい」と同じ使い方の換喩になります。その場はとりあえず納得して受け入れましたが、果たして換喩なんでしょうか…。

 換喩なのか、単に省略なのか。
 授業のためにたくさん例文を考えたのですが、灯台下暗しです。





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