日本語の修辞法(レトリック)について
- 修辞法/レトリック(rhetoric)
- 倒置法(inversion)
- 直喩法/シミリー(simile)
- 隠喩法/メタファー(metaphor)
- 換喩法/メトニミー(metonymy)
- 提喩法/シネクドキ(synecdoche)
- 擬人法(personification)
- 声喩法(onomatopoeia)
- 省略法(ellipsis)
- 対句法(antithesis)
- 反復法(repetition)
- 体言止め
- 含意法(implication)
- 撞着語法(oxymoron)
- 誇張法(hyperbole)
- 反語法(irony)
- 共感覚表現(synesthesia)
- くびき語法(zeugma)
- 同語反復法/トートロジー(tautology)
- 緩叙法(meiosis)
修辞法/レトリック(rhetoric)
言語表現を豊かにするための技法をまとめてます。
上級の作文とかに良いですよね! レトリックの授業をすると本当に面白いです。
倒置法(inversion)
通常の語順を入れ替えて、意味や印象を強調する表現法です。通常は後ろに置かれた要素を強調します。文学や広告などの感情に訴えかける文章ではよく用いられるんですが、客観性が求められる論文やレポートなどではダメです。通常の文が続くと単調になるので、所々適切な箇所で倒置法を用いると魅力的な文章になったりします。
通常の文 | 倒置法 |
---|---|
お前はそこで何をしてるんだ。(你在那干嘛呢?) | そこで何をしてるんだお前は。(在那儿干嘛呢,你?) |
君のことを信じているよ。(我相信你。) | 信じているよ。君のことを。(我相信的人是你。) |
財宝の在り処をやっと見つけた。(我终于找到了宝藏的下落!) | やっと見つけた。財宝の在り処を。(宝藏的下落,我终于找到了!) |
早く起きろよ!(快点儿起床!) | 起きろよ、早く!(起床,快点儿!) |
だからさっきダメだって言ったでしょ!(我刚才不是说了么 不行!) | だからダメだって言ったでしょ!さっき。(不是说了么不行,刚说!) |
直喩/シミリー(simile)
「~みたいな」「~のような」「~の如く」等を使って元々関係のない2つの事柄の類似性を明示する比喩の一種です。「まるで」「まさに」「あたかも」などの陳述副詞を伴うこともあります。
(1) わたあめみたいな雲が浮かんでいる。
(云朵像棉花糖一样飘着。)
(2) 彼女は鬼のような形相で怒っている。
(她生气了,露出像魔鬼一样的样子。)
(3) 滝の如く汗が流れてくる。
(像瀑布一样汗流不止。)
(4) 鳥みたいに羽が生えたら自由に空を飛べるのに。
(如果像鸟儿一样长着翅膀的话,就能在天空自由的飞翔了。)
(5) 彼がいない夏休みなんて真夏のスキー場みたいなものだ。
(没有他的暑假就像是盛夏的滑雪场一样。)
隠喩/メタファー(metaphor)
2つの物事の類似性を利用した比喩の一種です。例えば、「頭が真っ白になる」は頭で何も考えられなくなった状態と何もない、何も書かれていない紙の「真っ白」な状態の類似性を利用しています。こんな感じで抽象的な状態を表現するのが得意です。
頭がショートする、足が棒になる、記憶が飛ぶ、画面が凍る、時は金なり、月見うどん、たい焼き、パンの耳…
(1) 頭が真っ白になる
(因为吃惊)大脑一片空白。
(2) 足が棒になる
双腿(累得)像是棍子一样,无法动弹。
(3) 記憶が飛ぶ
突然失忆(原本记着的东西突然想不起来。)
(4) 画面が凍る
画面不动了(用于电脑或手机,因为操作频繁等原因死机。)
(5) パンの耳
面包边儿(因为耳朵是在头部的两侧。所以面包边角的部分叫做面包的耳朵。)
(6) 彼はこの会社にいなければならない存在で、今では社長の右腕だ。
(他是这个公司里不可或缺的人物,现在是社长的左膀右臂。)
(7) 私にとってあなたは輝く星だ。
(对我来说你是闪耀的星星。)
(8) 彼は鋼の肉体を持っている。
(他有钢铁般的肉体。)
(9) あいつは亀だ。走るのが遅すぎる。
(那家伙是乌龟吧。跑得太慢了。)
(10) 冬になると乾燥がひどくて肌が砂漠になる。
(一到冬天,由于干燥严重,皮肤变成沙漠般粗糙的皮肤。)
日本語でも「音楽でご飯を食べていく」みたいな表現がありますが、中国にも上の写真のような同じ表現があります。直訳すると「仕事しないとご飯ないよ」って感じ。「ご飯を食べる」のは生きていくのに重要、生きていくのに重要なことは「生活すること」という類似性に基づき、だから仕事が重要だよと言っています。
換喩/メトニミー(metonymy)
様々な概念の隣接性に基づいて物事を表す比喩の一種です。換喩はいろんな種類があって困ります…。例えば「筆をとる」は時間的前後関係による換喩だとする人もいれば、原因で結果を表すものだという人もいます。名前は違いますけど、実は言いたいことは一緒。いずれも指し示すものをずらす特徴があります。
以下はよく挙げられる分類です。他にもあるんですけど論文や書籍によって変わるので、ここでは代表的なものだけまとめてます。
関係性 | 例 | |
---|---|---|
建物や地名で物を表す | ホワイトハウスの声明(ホワイトハウスに住む大統領の声明)永田町の常識(永田町にいる政治家の常識)広島、長崎を忘れない(広島、長崎の原爆を忘れない) | |
物で主を表す | 白バイに捕まった(白バイに乗っている人に捕まった)パトカーに捕まった(パトカーに乗っている人に捕まった)うどん県(うどんで香川県を表す)菊紋で天皇家を表す | |
主で物を表す | バッハが好き(バッハの作った曲が好き)米津玄師を聴いた(米津玄師の作った曲を聴いた) | |
入れ物で中身を表す | やかんが湧いた(やかんの中のお湯が沸いた)隣の部屋がうるさい(隣の部屋の人がうるさい) | |
時間的隣接関係 | 原因で結果を表す | 筆をとる(筆をとってから書き始める/書くために筆をとる)耳を傾ける(耳を傾けてから聴く/聴くために耳を傾ける)ユニフォームを脱ぐ(脱いでから引退する/引退するために脱ぐ)机に向かう(机に向かってから勉強する/勉強するために机に向かう)寝る(横になってから性交する/性交するために横になる)抱く(抱いてから性交する/性交するために抱く) |
結果で原因を表す | 筆を置く(書き終わってから筆を置く/筆を置いたのは書き終わったから)手を洗う(トイレをしてから手を洗う/手を洗ったのはトイレをしたから)あくびが出る(眠くなったからあくびが出る/あくびが出たのは眠くなったから)涙を流す(悲しくなったから涙を流す/涙を流したのは悲しくなったから)寝る(性交してから寝る/寝たのは性交したから)抱く(性交してから抱く/抱いたのは性交したから) |
(1) ホワイトハウスの声明
(白宫的声明)白宫本身是建筑物不会说话,但是住在白宫里的是美国总统,所以虽然写着是白宫,但是大家会认为是来自总统的声明。
(2) パトカーに捕まった。
(被警察抓住了)パトカー是警车的意思,是パトロールカー的缩略语。英语写作patrol car。警车不会抓犯人,但是警车是警察开着的,所以会自然理解为被警察抓住了。
(3) 隣の部屋がうるさい!
(隔壁好吵!)意思是隔壁的人制造出来的声音好吵。
(4) あくびが出る。
(打哈欠(困了))以结果暗示原因。因为困了(原因),所以会打哈欠(结果)。
(5) 最近よく米津玄師を聴く。
(最近经常听米津玄师的歌)用人物来暗示事物。我们听的不是米津玄师这个人,而是他所创作的音乐。
(6) 危ないところだった。もう少しでお花畑を見るところだった。
(刚才好险。差点就去花田了。(在日本,有这样一个故事。将死的人会去长满了鲜花的花田,那里有一座桥,桥对面有一个老太太太。老太太会叫名字让对面的人过去。如果走过去了,就真的死掉了。))
提喩/シネクドキ(synecdoche)
種と類の関係を利用して一方で他方を表す比喩の一種です。上位概念を下位概念で、または下位概念を上位概念で言い換えます。例えば「大学に通っている。学校では軽音サークルに入っている」の「学校」が提喩です。上位語「学校」で下位語「大学」を指しています。
(1) ご飯炊けた? (「ご飯」で「お米」を指す)
(2) 花見に行く (「花」で「桜」を指す)
(3) 親子丼を食べる (「親子」で「鶏と卵」を指す)
(4) 式を挙げる (「式」で「結婚式」を指す)
(5) 焼き鳥を食べる (「鳥」で「鶏」を指す)
(6) 私年だから。 (「年」で「中年」「高齢」を指す)
(7) 学校をサボる (「学校」で「授業」を指す)
(8) 今日はいつもよりご機嫌だ。 (「機嫌」で「良い機嫌」を指す)
(9) 彼の絵は海外で評価されている。 (「評価」で「良い評価」を指す)
(10) 明日お天気だったら遊びに行こう。 (「お天気」で「良い天気」を指す)
(11) こんなにも早く結果が出るとは。 (「結果」で「良い結果」を指す)
(12) サザンオールスターズは世代じゃない。 (「世代」で「私の世代」を指す)
擬人法(personification)
人ではない動物や植物、生命のない物事を人にたとえ、あたかも人間の特徴を持っているかのように扱う表現のことです。隠喩のうち人に見立てるものがこれです。
(1) スマホが死んだ。
手机坏了。
(2) 空が泣いている。
天空在哭泣。(下雨了)
(3) 膝が笑う。
膝盖在颤抖。(精疲力尽膝盖不听使唤得颤抖。)
(4) グーグル先生に聞く。
问一下谷歌。(上谷歌搜索一下)
(5) 幸せは歩いてこない。
幸福不会来造访。
(6) 鳥たちが歌い、外は賑やかだ。
(鸟儿们歌唱,外面热闹非凡。)
(7) 雨が街を洗い、霧に包まれた。
(雨洗刷了街道,小镇被雾笼罩着。)
(8) 月が私たちを見守っている。
(月亮在守护着我们。)
(9) 風が頬を撫でる。
(风抚摸我的脸颊。)
(10) 会社のガン
(公司里的毒瘤)
(11) 静電気が走る。
(12) 春の足音
声喩法(onomatopoeia)
人や動物、自然界の状態や動き、音を文字で表す表現法です。オノマトペとも呼ばれます。
分類 | 説明 |
---|---|
擬態語 | 実際には聞こえない、物や人の状態や感情を文字で表現したもの。 |
擬音語 | 実際に聞こえる音を文字で表現したもの。そのうち人や動物の声を表したものは擬声語と呼ばれることもある。 |
(1) 緊張でドキドキする。
紧张得心脏怦怦跳个不停。(ドキドキ是指听不到的心脏跳动的声音。)
(2) 雷がゴロゴロと鳴り響いた。
雷声隆隆地响。(ゴロゴロ是将雷声文字化)
(3) 犬がワンワン吠えている。
狗汪汪地叫着。(ワンワン将狗叫声文字化)
(4) 赤ちゃんがギャーギャー泣いている。
婴儿呱呱地哭。(ギャーギャー是将婴儿的哭声文字化)
(5) 水をゴクゴク飲む。
咕嘟咕嘟地喝水。(ゴクゴク是将喝水时喉咙发出的声音文字化)
(6) 小鳥がチュンチュンと鳴いている。
(小鸟吱吱地叫着。)
(7) 風車がグルグル回っている。
(风车在不停地旋转。)
(8) 雨がザーザー降っている。
(雨哗哗地下着。)
省略法(ellipsis)
「…」や「――」などで文章や会話の一部を省略して、読者に続きを想像させる表現法です。余韻を感じさせるのが得意。
(1) 彼は万引きが日課となってる。そして今日もまた――
(他现在偷东西已经成为日常,今天又――
(2) 彼の秘密とはいったい…
(他的秘密到底是――
(3) 坂を越えたら、また坂が…
(刚爬过一个坡,紧接着前面又――
(4) 結婚をし、ついに待ち望んだ子供が――
(结婚后,期盼已久的孩子终于――
(5) まさかそんなことになるとは…
(会发生这种事,真是没想到――)
対句法(antithesis)
同じ構造を持った対照的な意味を表す言葉を二つ並べ、その意味的なコントラストを際立たせる表現法です。例えば「焼肉焼いても家焼くな」では、当たり前の「焼肉焼いても」をいって「家焼くな」を強めてます。
(1) 沈黙は金、雄弁は銀
(沉默是金,雄辩是银)
(2) 空は高く、海は深い
(天高海深)
(3) 青い空、白い雲
(蓝天白云)
(4) 春、君に出会い、秋、君と別れる。
(春遇秋别)
(5) 太陽は眠り、月は目覚める。
(太阳睡了,月亮醒来了。)
(6) 彼は合格し、私は落ちた。
(他及格了,我落榜了。)
(7) 妻は寒がり、私は暑がりだ。
(妻子怕冷,我怕热。)
(8) おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
(老爷爷去山上割草,老奶奶去河边洗衣服。)
(9) 勝者は希望を売り、敗者は希望を買う。
(胜者卖希望,败者买希望。)
(10) 知恵はあっても知恵はない。
(有知识却没有智慧。)
反復法(repetition)
同じ表現を繰り返し並べ、その意味を強調したり、リズムをとる表現法です。特に詩歌で用いられるものはリフレインと呼ばれます。
(1) 空は青く、青く澄み渡っている。
(天很蓝,万里无云的蓝。)
(2) 本当に、本当に疲れた。
(我真的,真的累了。)
(3) もう一度、もう一度だけ会いたい。
(想再见一次,就一次。)
(4) 蛙がピョンピョン跳ねている。そう、ピョンピョンと。
(青蛙一蹦一蹦地跳着,对,就是一蹦一蹦地。)
(5) やっと、やっとだ。やっと手に入れた。
(终于,终于弄到手了!)
体言止め
強調したい体言(名詞や名詞句)が文末に置く表現です。余韻を感じさせるのが得意。
通常の文 | 体言止め |
---|---|
月が輝き、僕たちはそれに照らされている。(月光皎洁,我们沐浴其中。) | 輝く月、それに照らされる僕たち。(皎洁的月光,还有沐浴其中的我们。) |
見上げると満天の星がある。 | 見上げると満天の星。(抬头望,满天繁星。) |
この料理の味は上々だ。 | この料理、味は上々。(这道菜味道好极了。) |
冷たい風が吹いてくる。(冷风迎面吹来。) | 冷たい風。 |
含意法(implication)
伝えたい内容を直接言うのではなく、ある表現から推測される意味によって間接的に伝える表現法です。
これはサールの間接発話行為(間接的言語行為)と同じ。その含意がしっかり相手に伝わるかどうかは聞き手と話し手の間に共通認識があり、コンテクストによって支えられている必要があります。ちなみにこの含意は協調の原理をわざと破ることで生まれてくるとグライスは言ってます。
(1) 部屋、暑いね (エアコンつけて)
(2) ご飯できたよー (早く2階から下りてきて)
(3) お風呂沸いたよ (お風呂に入って)
(4) もう宿題済んだの? (早く宿題終わらせなさい)
(5) 私はもうすぐ行くつもりだよ (早く準備して)
撞着語法(oxymoron)
正反対の意味を持つ語を組み合わせて、なおかつ矛盾に陥らずに複雑な内容を簡潔に表現する表現法です。対義結合とも呼ばれたりします。個人的にこのレトリック大好き。
公然の秘密、暗黒の輝き、無知の知、唯一の選択肢、ゆっくり急げ、欠点のないのが欠点、劇団ひとり、動けるデブ、燃える氷(メタンハイドレート)、黒い光、嬉しい悲鳴、無冠の帝王、マイナス成長、遠くて近い国、リトルビッグプラネット、Mr.Children、アダルトチルドレン、平和のための戦争、こどおじ、音の無い声で助けを呼ぶ (BUMP OF CHICKEN – プレゼント)、耳をつんざく静寂、聞こえない言葉を呟いている (BUMP OF CHICKEN – 望遠のマーチ)、皆集まって 全員ひとりぼっち (BUMP OF CHICKEN – 望遠のマーチ)、登る落日(先崎学九段)…
(1) 彼がしてくれたことはありがた迷惑だ。
(他帮我做的事,真是好心帮了倒忙。)
(2) 数億年も姿を変えてこなかったカブトガニは生きた化石と呼ばれている。
(马蹄蟹,数亿年体形都没有太大变化,被称为活化石。)
(3) 細マッチョな人が好き。
(喜欢紧致结实(很瘦但是很有肌肉)的男生。)
(4) ブサかわいい。(丑丑的可爱。)
(类似于丑帅丑帅,但是ブサ可愛い是用来形容女孩子。)
(5) 彼は小柄だが、司令塔としてチームに貢献している。いわば小さな巨人だ。
(他虽然身材矮小,但作为总指挥,为团队付出了不少。所谓“小巨人”。)
(6) 19世紀後半、イギリスの工業力は世界一の座を失う。これが覇権国家としての終わりの始まりとなった。
(19世纪后期,英国在工业方面失去了世界第一的宝座。这就是霸权国家的衰落。)
(7) 勇敢で臆病な人
誇張法(hyperbole)
物事を事実以上に大袈裟に述べることで、その程度を引き立たせる表現法です。本当はみんなじゃないのに「みんな知ってるよ」と言ったりするのがそう。
通常の文 | 誇張法 |
---|---|
とても疲れてる。(很累。) | 今にも死にそうなくらい疲れてる。(累得快要死了。) |
そんなことは100%あり得ない。(那种事,百分之百不可能。) | そんなことは2万%あり得ない。(那种事,百分之两万不可能。) |
孫は可愛い。(外孙(女)很可爱。) | 孫は目に入れても痛くない。(外孙(女)可爱得不得了。) |
橋本環奈は美少女だ。(桥本环奈是美少女。) | 橋本環奈は1000年に1人の美少女だ。(桥本环奈是千年一遇的美少女。) |
彼は嘘つきだ。(他是个骗子。) | 彼は息をするように嘘をつく。(他说谎如呼吸一样。) |
あなたと私の考え方は全然違う。(你和我的想法完全不同。) | あなたと私の考え方は180度、いや、540度違う。(你和我的想法相差180度,不,540度。) |
反語法(irony)
直接非難するのではなく、逆の言葉を用いてあえて褒めたりすることで対象を貶す表現法です。反対の内容が述べられるため、言葉の攻撃力をより高めることができます。いわゆる皮肉。
(1) つまらないことで呼び出してくれて、ありがとう。
(因为这点小事把我叫出来,真是太谢谢你了。)
(2) (0点の人に)そんな点数取れるなんてすごいね。私は絶対できない!
((对得了0分的人说)能得那样的分数真的好厉害呢。我绝对做不到。)
(3) 君みたいに何度も失敗できる才能が欲しいな。
(真想要你那不管做多少次都能失败的才能。)
(4) 「試験に落ちたみたい。」「マジ? おめでとう!」
(考试好像没过。——真的么,祝贺祝贺。)
(5) (味方に対して)逆転のチャンスに失敗するなんて、あいつは本当に最高なやつだ。
(错过了那么好逆袭的机会!那家伙真有才。)
(6) (出張の日に台風が来て)「いい天気で嬉しいよ!」
共感覚表現(synesthesia)
五感の中で表現を貸し借りする比喩の一種です。
(1) うるさい味
(2) 黄色い声
(3) 甘い声
(4) 甘い香り
(5) 暖かい色
(6) 鋭い痛み
(7) 小さい声
(8) 薄い味
「小さい声」は普通に使うじゃんと思うかもしれませんけど、まるで「声」に形があるような言い方をしてます。形は視覚、声は聴覚です。
くびき語法(zeugma)
1つの語の異なる語義を利用した表現法です。なかなか例が見つからない…
(1) 服装の乱れは心の乱れ
(2) エイムの乱れは心の乱れ
(3) 夢とおっぱいは大きいほうがいい
(4) スピーチとスカートは短い方がいい
(5) 容量減らして値上げする食品業界、容量増やして値下げする通信業界
同語反復法/トートロジー(tautology)
同じ言葉、同じような言葉を繰り返しながら無意味に陥ることなく何らかの意味を伝えようとする表現法です。「エモいって何?」「エモいはエモいでしょ」では、「エモい」を2回繰り返して何の説明にもなっていないように感じますが、場合によっては「エモいも知らないの?」などの他の意味が付加されることがあります。
(1) 騙すほうも騙すほうだが、騙されるほうも騙されるほうだ。
(2) 軽犯罪といっても犯罪は犯罪だ。
(3) よそはよそ、うちはうち。
(4) それはそれ、これはこれ。
(5) 時間が時間だから、ごめんなさい。
(6) 不愛想とは、愛想がないことだ。
(7) 力こそパワーだ!
「不愛想とは愛想がないことだ」は説明しているんでしょうけど、この説明は意味があるかと言われると微妙… これはレトリックの同語反復法というよりただの同語反復に近い感じ。
「力こそパワーだ!」は、「力」を同義の外来語「パワー」で説明した何の意味もない表現のように見えますが、トートロジーを逆用した聞き手におかしさを伝えるジョークの一種なのかな。
その他、次のようなものも広義のトートロジーに含まれますが、トートロジーとは別に重言、二重表現などと呼ばれることもあります。
(8) 後ろにバックする。
(9) 新たな新事実が発覚する。
(10) 車を駐車する。
(11) 右に右折する。
緩叙法(meiosis)
言葉を尽くすのではなく、あえて話し方を控えることで効果的に伝える表現法です。
(1) 「(電話で)お父さんが…」 (危篤)
(2) 彼女のことをずっと想っている (好き)
(3) (上司が)ちょっと話があるんだけど (重要な話かもしれない)
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