平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題16解説

問1 ヨーロッパ共通参照枠(CEFR)

 ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)とは、ヨーロッパの言語教育が共通の基準で行われるように定められた、言語能力の測定基準を示したものです。日本では日本語能力試験やBJTビジネス日本語能力テストなどを始め、各言語の語学検定のレベルや問題の難易度を決める際に基準となっている枠組みです。

 選択肢4は間違いです。CEFRは特定の言語を普及させるために開発された枠組みではありません。
 したがって答えは4です。

 このCEFRってかなり苦手意識があります…

 

問2 複言語・複文化主義と多言語・多文化主義

 ここでは複言語主義という言葉が出てきてますが、一緒に覚えたいのが多言語主義です。これら2つはよく対比されて登場します。

多言語主義 ある社会、ある地域で一つ以上の言語変種が存在していること。
複言語主義 個人が複数の言語を身につけ、それらが併存している状態のこと。従来の言語学習の目標は母語レベルにまで達することだったが、個人にとって必要に応じたレベルに達すればいいとする。

 この2つの違い、重要なポイントは、多言語主義は社会について、複言語主義は個人についての考え方です。
 ちょうど選択肢1がそれです!

 したがって答えは1です。

 

問3 JF日本語教育スタンダードの「言語活動」

 JFスタンダードとは | JF日本語教育スタンダードのページ中央よりちょっと上、桜の樹がある画像を見てください。
 「コミュニケーション言語活動」のカテゴリーには「受容」「産出」「やりとり」の3つが書かれています。

 したがって答えは1です。

 

問4 JF日本語教育スタンダード

 JFスタンダードとは | JF日本語教育スタンダードの一番上にはこんな記述があります。

JF日本語教育スタンダード(JFスタンダード)はコースデザイン、授業設計、評価を考えるための枠組みです。
課題遂行能力(言語を使って課題を達成する能力)と、異文化理解能力(お互いの文化を理解し尊重する能力)を育成する実践をサポートし、日本語を通じた相互理解を目指します。

 課題遂行能力と異文化理解能力。答えは2です。

 

問5 熟達度のレベル

 Can-doとは | みんなのCan-doサイトの上から2つ目の画像、虹色のやつには、JF日本語教育スタンダードのレベル分けが書かれています。こんな感じ。

熟達した
言語使用者
C2 話題について知識のない聴衆に対しても、自信を持ってはっきりと複雑な内容を口頭発表できる。
C1 複雑な話題について、明確なきちんとした構造を持ったプレゼンテーションができる。
自立した
言語使用者
B2 事前に用意されたプレゼンテーションをはっきりと行うことができる。
B1 自分の専門でよく知っている話題について、事前に用意された簡単なプレゼンテーションができる。
基礎段階の
言語使用者
C2 身近な話題について、リハーサルをして、短い基本的なプレゼンテーションができる。
C1 非常に短い、準備して練習した言葉を読み上げることができる。例えば、話し手の紹介や乾杯の発話など。

 ということで選択肢3が答えです。

 ちなみに他の選択肢については…

 1 J5からJ1+までのレベルがあるのはBJTビジネス日本語能力テストです。
 2 初級、中級、上級、超級のレベルがあるのはOPI(Oral Proficiency Interview)です。
 4 A1からC2のレベルはCEFRのレベルですが、それよりも1つ多い試験って何の試験? ちょっと分からないです。

 したがって答えは3です。

 





2020年9月21日平成24年度, 日本語教育能力検定試験 解説