平成24年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ 問題3B解説
(5)動詞
ここで主節やら従属節やらと出てきてます。
2つ以上の述語を持つ文を複文といい、複文の中で文末の述語を含む節を主節、それ以外の節を従属節と呼びます。
ここで問題になっているのは以下。
①動詞は主節の述語になれるかどうか
②動詞は従属節の述語になれるかどうか
③動詞は名詞を修飾できるかどうか
「昨日買った服を着ていく」という複文があります。主節は「服を着ていく」、従属節は「昨日買った」です。
主節には「着ていく」という動詞があるし、従属節にも「買った」という動詞があります。
また、「昨日買った服」のように、動詞「買った」は名詞「服」を修飾しています。
つまり上の3つは全部可能です。
したがって答えは1です。
(6)動詞「ある」
「ある」は五段動詞に分類されますが、五段動詞の活用を適用できない部分もあります。ここに書いてる活用形を「ある」でどう言うかを一つずつ見ていくといいです。
・五段動詞の可能形は「語幹+eru」ですが、「あれる」とは言わずに「ある」のまま
・五段動詞のマス形は「語幹+imasu」で、「あります」と適用できます
・五段動詞のナイ形は「語幹+anai」ですが、「あらない」とは言わずに「ない」
・「る」で終わる五段動詞のテ形は語尾の「る」が「って」なります。「あって」はその原則に従ってます。
・五段動詞のテイル形はそれぞれのテ形に「いる」を加えますが、「あっている」ではなく「ある」
・五段動詞のバ形は「語幹+eba」で、「あれば」と適用できます。
・五段動詞のタ形は、テ形の「て」を「た」に変えて作ります。
動詞「ある」において、選択肢2のナイ形とテイル形が一般的な五段動詞の規則性が適用できません。
したがって答えは2です。
(7)病気
「彼は病気だ」「病気になって入院する」の「病気」は名詞です。でも病気は発熱・苦痛などを伴う生理状態の悪い変化を起こすことや心身に悪い変化がある状態そのものを指しますので、実は形容詞的な意味合いが強めです。
ここでは対義表現から考えるとあります。「病気」の対義語は「健康」だと思いますが、「健康」も「彼は健康です」「健康になった」みたいに対象の状態を表す語なので形容詞の働きをしてます。
したがって答えは1です。
(8)数量表現の品詞
「3人」や「250cc」が何を修飾してどのように用いられているのかを見る問題。
選択肢1
「3人の学生」は格助詞「の」で繋がれた関係なので名詞として使われてます。
「3人来た」は「来る」という動作がどういう状態で行われたのか、どのくらいなのかについて「3人」と言ってますから副詞的な使い方をしてます。(程度量)
選択肢2
選択肢1と同じく…
「3人の学生」は名詞として使われてます。
「3人来た」は副詞的。
選択肢3
「250cc入れる」は「入れる」という動作がどのくらい行われたのかを「250cc」と言ってるので副詞的な使い方です。(程度量)
「250ccの水」は格助詞「の」で繋がれてるので名詞として使われてます。
選択肢4
選択肢3と同じく…
「250cc入れる」は副詞的、「250ccの水」は名詞的に使われてます。
したがって答えは3です。