「もうすぐ」と「そろそろ」の違い
「もうすぐ」と「そろそろ」は中国語訳が大体同じで、日本語としての違いが分からないという質問を受けました。調べてみた結果をまとめたいと思います。
「もうすぐ」と「そろそろ」の違い
「近い将来」を表すのは共通している
そろそろ ある時期・状態になりつつあるさま。
すぐ 時間をおかないさま。
いずれも近い将来に予期した物事が発生・完了しようとしていることを表します。以下のような例文の場合は同じ意味です。
(1) もうすぐバスが来るよ。
(2) そろそろバスが来るよ。
(3) ご飯もうすぐできるから座って待ってて。
(4) ご飯そろそろできるから座って待ってて。
「もうすぐ」の「もう」は強調を表していますので、「もうすぐ」は「すぐ」よりも時間的に切迫しています。これと同じように「もうそろそろ」と強調して言うこともできますので、この見方からすると、「もうすぐ」は「そろそろ」よりも時間的に切迫していると思われます。
以下の例文で、家に着くのがより早いのは(5)です。しかし通常どっちが早いかなど気にせず使用しますので感覚的にはほとんど変わらないでしょう。
(5) もうすぐ家に着く。
(6) そろそろ家に着く。
「そろそろ」は「早く」という意味がある
「~しよう」と相手に催促・勧誘したりする場合、「そろそろ」は「早く」等に言い換えられます。ここでは「ある時期・状態になりつつあるさま」を表しているというよりも、「もう時間になったので」という意味合いがあるのではないかと思われます。
「もうすぐ/すぐ」にそのような意味はありませんので、この用法の時はお互いに言い換えることができません。
(7) もう遅い時間だから、そろそろ帰ろうよ(早く帰ろうよ)。
(8)✕もう遅い時間だから、もうすぐ帰ろうよ。
(9) そろそろ決着をつけよう。
(10)✕もうすぐ決着をつけよう。
まとめ
「もうすぐ」も「そろそろ」も、近い将来を表す点は共通しています。この意味の時はお互い言い換えることができます。
ただし、「そろそろ」は「(早く)~しよう」という勧誘を表すこともあります。この用法は「もうすぐ」にはありません。